失恋未遂１ ページ21
「Aの髪って、綺麗だよな」
数年前、そう言われてから私は全然意識していなかった髪ケアをしだし、伸ばし始めた
小学6年生の春、4年生から伸ばしていた髪は背中の真ん中辺りまで伸びていた
それをポニーテールに結び家を出る
「A髪伸びたな」
そう言うのは綺麗だと褒めてくれた張本人、焦凍だった
焦凍の隣を歩く、いつも通りの風景
「うん、変？」
「いや、そこまで伸ばしてんの初めてじゃねぇか？4年までずっと短かっただろ？」
短いといっても結ぼうと思えば結べるボブだったけど
「変じゃねぇよ？むしろいいと思う
Aはどんな髪でも似合う」
焦凍は私の髪を徐に触りながら言う
「わ、サラサラだな」
「……焦凍もね」
勘違い、させないでよ
そんな言葉は髪を撫でられた嬉しさから引っ込んでしまった
私も焦凍の髪を触る
ひょっとしたら私よりサラサラかも知れない
「ていうか今日体育ある！」
「本当だ」
今は焦凍と同じクラス
時間割を共有したり宿題を教えあったり(主に私が教えられる側)色々と便利だ
「短距離したいなー」
「A短距離速いもんな」
「焦凍全部運動出来るじゃん」
そんな雑談をしながら通学路を歩く
「……お？」
下駄箱で焦凍が驚いた声を出した
「どした」
「差出人不明の手紙が入ってた」
見せられたのはハートのシールで止められた封筒だった
「ラブレターだな」
少女漫画を友達に借りて読んでいた私には分かる
「らぶれたー」
私の言葉をオウムのように何回か呟いた
「ってなんだ」
「まぁ中身見てみてよ」
ガサ、と取り出して音読し始める
「轟くんへ
今日の放課後、6年2組の教室に残っといてください
大切な話があります…だってよ」
「だってって言われても…その通りにすればいいんじゃないの」
「そうか」
焦凍は手紙を少々手荒にランドセルに突っ込んだ
もうちょっと大切に扱いなよ、と言う言葉を飲み込んで先に行く焦凍の後をおった
少し、心が痛いなぁ
終わりのチャイムと号令が教室に響いた
「はー終わった」
机に身を投げ出し鉛筆をいじる
早く帰りたいな、今日は宿題難しいから焦凍に教えてもらお…
「…ダメ、か」
そういえば焦凍は告白されるんだった
どうしよう先に帰っとこうかな
でも焦凍に絶対行けって言っとこう
あの人言わないと行かないよ絶対
ランドセルに教科書を乱暴に突っ込む焦凍を遠目で眺めながらそんな事を考えた
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月亜(プロフ) - Fantomu∞Rosarioさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますね…！！ (2019年10月21日 17時) (
レス) id: 38a0960158 (このIDを非表示/違反報告)
Fantomu∞Rosario - 月亜さんこんばんはFantomu∞Rosarioです！！先程此方の作品を読ませて頂いたところヒロインと焦凍君は幼馴染ですがどんなラブコメになるのか楽しみです♪ヽ(´▽｀)/今後の内容をお待ちしてます(^_^)v (2019年10月20日 23時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月亜 | 作成日時：2019年10月17日 18時
