青龍:オリジン ページ20
「痛…」
私は遊具の影で一人、そう呟いた
先程まで一緒に遊んでいた友達はどこへ行ったのか
辺りには人の気配もしなかった
まぁここは遊具でも1番人気のない遊具だし仕方ないのかななんて思いながら膝から溢れ出る血を手で押さえつけてみる
どうしたものか、私青龍Aは幼稚園の隅、誰も居ない場所で派手にコケてしまった
そして不幸は重なるものでかくれんぼ中だった
そう簡単に見つけてもらえるわけが無い
そう思うと今まで我慢していた涙が滝のように溢れ出てきた
「…ひぐっ…うぇ…せんせぇ…いたいよぉ」
ボロボロと情けなく涙を止める術は無く、動こうともせず
ただ嗚咽を漏らしながら遊具の影に居た
血が桃色のお気に入りの靴下に染み込んでいく
……一体何時間そうしていたのだろうか
いや、大してそんなに時間は経っていなかったのだろうが不安と焦りが重なりすぎた私にはもう何時間もそこにいた気がした
「みーつけた」
可愛らしい声が耳に飛び込んできて顔を慌てて上げる
「ってえ？Aちゃん膝怪我してる？！大丈夫？」
そこには目立つ赤と白の髪の毛をもった男の子がいた
「…焦凍くん」
彼の姿を見ると私も安心したのか引っ込んでいた涙が溢れ出てきた
「Aちゃん？！泣かないで…？」
焦凍はおろおろと私に近付いてくる
「歩ける？痛いよね？
どうしよう…先生呼んでくる？」
そう焦凍が私から離れようとした
その手を私は無意識の間に掴んでいた
「…Aちゃん？
……あ！そうだ！」
私の無意識の行動に少し考えていた焦凍は私の傍に再び近寄りしゃがんだ
「はい、乗って！」
「……え、？」
「？違うの？痛いから歩けないって意味じゃないの？」
焦凍は純粋な目をこちらに向けてきた
「早く手当てしないとバイ菌入っちゃうよ？」
「で、でも…焦凍くん潰れちゃうよ！」
「大丈夫だよ！僕、強いもん！」
恐る恐る背中に乗る私を焦凍はしっかり持ち上げた
「わぁ…！焦凍くん、凄い！すごいよ…！
オールマイトみたい！！」
「…うん！
僕将来はオールマイトみたいになるんだ！」
焦凍は目を輝かせていつた
「そうなの？
じゃあ私も一緒になる！
オールマイトなヒーローになる！」
「本当？じゃあ約束ね！一緒に敵をバンバン倒そうね！」
「……うん！約束！」
これが私と焦凍の出会い
そして私がヒーローを目指すきっかけとなった時の話だ。
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月亜(プロフ) - Fantomu∞Rosarioさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますね…！！ (2019年10月21日 17時) (
レス) id: 38a0960158 (このIDを非表示/違反報告)
Fantomu∞Rosario - 月亜さんこんばんはFantomu∞Rosarioです！！先程此方の作品を読ませて頂いたところヒロインと焦凍君は幼馴染ですがどんなラブコメになるのか楽しみです♪ヽ(´▽｀)/今後の内容をお待ちしてます(^_^)v (2019年10月20日 23時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月亜 | 作成日時：2019年10月17日 18時
