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焦凍くんとは手を繋いで、それで少し照れて顔を見合せて私が吹き出してしまって終わる
そんな清い関係__いや、偽の恋人関係ということを踏まえれば進んだ関係になって土曜日を迎えた
｢やっとデート行くんだ！？｣
｢う、まぁデートというか……うん、デート……｣
と凄く嬉しそうな三奈を始めインターンのない女子達が私の部屋に集まってきて朝7時からコーディネート大会が始まった
女子たちが悩みに悩み、私の｢清楚系にしたい｣というリクエストのもと1時間ほどで何とか形になった
白いリボンタイブラウスにプリーツスカート、梅雨ちゃんとヤオモモの協力のもとふわふわと綺麗に編み込みされたミニボブの髪
欲を言えばロングスカートにしたかったのだが生憎もっておらず、他の子の持っているロングスカートと私の服の色は合わず、いい感じだったヤオモモの物も身長が足りず断念した
｢お、おぉ〜…すごい……｣
｢Aちゃんめちゃくちゃかわい〜！！｣
｢えぇ、とても綺麗ですわ！｣
｢せーそだ〜！｣
｢ありがとう皆〜！！｣
ちなみにメイクもいつものピンク系ではなくブラウン系の薄めのメイクにしてもらった
｢轟くんって清楚系が好みなん？｣
｢ん？……たぶん？｣
｢たぶんって｣
お茶子が真顔で聞いとらんの？とじっと見てくるから聞いてません……と目を逸らしてしまった
｢でも多分いつもの私の服装より清楚のがいいと思う｣
確証はないけれど、と続けると確かにぽいと皆頷いた
いつもの私は少しギャル系だったり地雷系、パンク系だったり、かと思えば量産系の可愛いに全振りした格好だったり……と、清楚とはかけ離れている格好をしているのだ
それに一応彼氏の家族と会うんだからちゃんとした清楚な服装の方が印象はいいだろう
それだけじゃなくて婚約者ともあうのだ
少しでも賢そうに見せとかないと舐められてしまうかも
｢ってA、もうこんな時間！早く行かなきゃ｣
｢！ほんとだ！本当にありがとう、皆！｣
｢うん、いってらっしゃい｣
｢轟くんのこともっとメロメロにしちゃえ！｣
皆の声援を少し心苦しく思いながらもエレベーターで共有スペースへと急いだ
もう焦凍くんは来ていて、ソファの横でテレビを眺めていた
｢…っ、焦凍くん！お待たせ、まった？｣
自然と出てきた恋人のデートの待ち合わせのような言葉に自分でもビックリしてしまう
｢全然待ってねぇから気にすんな｣
焦凍くんが振り返る
視線がかち合って、心臓がいっとう大きく跳ねた
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作者名：月亜 | 作成日時：2022年10月30日 20時
