笑顔を53つ ページ6
ずっとずっと考えていた
アイツがちゃんと笑えて幸せになった未来を
俺の事なんか忘れて、過去の事なんか振り返らないぐらい幸せになれる
そんな未来を
俺はアイツの足枷になりたくないからワザと冷たく接していた
なのに、もう話しかけたくて仕方ない
気が付いたらアイツに話しかけてて
アイツは困ったように、でも嬉しそうに喋ってくれる
表情は相変わらず変わらないけれど。
「飯田くんも聞かないから僕聞いていい？轟くんと氷宮さんって仲良かったの？」
控えめに緑谷が手を挙げて言う
今、Aは検査に行っているから聞くならここしかないとでも思ったのだろう
「あぁ、Aと俺は幼なじみだ
親父とアイツの父親が仲良いからな」
「あ〜フロストとエンデヴァーか…」
確かに、と納得したように緑谷は頷いた
「だが、なんであんなに仲が悪いんだい？」
「ちょっ！飯田くん！！」
ド直球に聞いてきた飯田を緑谷がとめる
飯田は止められた意味がわからないように首を傾げていた
そんな2人に俺は少しだけ口角を上げた
「…いいよ、別に
俺が突き放したんだ。アイツの事」
「…？突き放した？」
「アイツな、中学の頃俺と一緒にいる事が原因で虐められてたんだよな
だから俺がいなくなればアイツは虐められないと思った」
「…そんな事…」
まるで自分の事のように心を傷めたのか緑谷が目を伏せる
「だから、格好悪いけど…泣きながら言ったんだ。関わるのやめた方がいいって
アイツも泣いててさ…俺、弱かったからそうするしか無かった…今でもすげぇ後悔してる」
もっといい方法があったはずなのにあんな事しか出来ない己の無力さに腹が立つ
「その結果、いじめは止まったんだけど…アイツは笑えなくなった」
「…前々から表情が少ないとは思っていたが…そういう理由だったのか」
「あぁ、あれは完全に俺のせいだ」
自傷気味に俺は呟いた
そんな俺を緑谷は見つめて言う
「でもさ、氷宮さんは轟くんの事今でも好きって言うか…大切に思ってると思う」
「…え？」
「だって氷宮さんさんね…君と話している時は凄く表情が柔らかいんだ」
「…！」
「それに昨日だって凄く轟くんの事信用して動いてた」
緑谷の言う事は妙に信頼性があった
「だからまだ可能性はあるんじゃないかな？！きっと氷宮さんの笑顔、取り戻せるよ！」
「あぁ！俺も協力するぞ！」
頼り甲斐のある2人が同じようにガッツポーズをしていた
「緑谷、飯田……ありがとな」
本当にいい友達が出来た。
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月亜(プロフ) - あるじゃんさん» 話数がギリギリだったので無理やり終わらせたんです(小声)ですが番外編なども考えていたのでこれからの雄英生活も書いていこうと思います！コメントありがとうございました (2020年4月13日 8時) (
レス) id: 6aa5747d2c (このIDを非表示/違反報告)
あるじゃん(プロフ) - 終わり.....っぽいですかね....?すごく面白かったです！まだまだ原作沿いで轟くんとの雄英生活を見ていきたいです！頑張ってください！ (2020年4月13日 3時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とても面白いです！これからも頑張ってください (2020年3月26日 16時) (レス) id: fdffda99bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月亜 | 作成日時：2020年3月13日 11時
