黙っていたこと。2 ページ5
風磨「慌てて俺の知り合いです、って救急隊の人に言って救急車乗せてもらったのはいいけどさ。
事故の衝撃で携帯壊れたみたいでLI〇Eしか持ってなかったから、電話番号も家も知らないし。
目が覚めたら覚めたで記憶がありません、って分かって。」
住所や電話番号がないのも、実際にないのでなくて、覚えていないということだったんだ...。
ソウ「...そういうこと、なんだよね。家がないのも電話番号がないのも、覚えてないから。
目が覚めたら病院で。何も覚えてないし思い出せそうにもなくて、怖くて病院を抜け出した。暫く風磨くんのお家でお世話になってたんだ。」
風磨「なのにお前、連絡も無しに突然居なくなるし。」
ソウ「それは...ごめんなさい。」
風磨「心配した。ほんとに。」
グッと手を強く握ってまた俯く彼を、風磨は優しい声色で、愛おしそうに見つめる。
彼は自分を覚えていないのに、それでも家に置いておくなんて。口は悪いけど、やっぱり優しい。
こんなに大事に彼のことを想っていたんだね。
ソウ「覚えてなくてもいいなんて風磨くんは言ったけど。
風磨くんは俺を知っていて、俺は風磨くんを知らないなんて、おかしいでしょ?携帯も服も身の回りのもの全部買って貰ってさ。
だから...逃げたの。」
「それで、私と会ったってこと...?」
ソウ「うん。初対面であんなに失礼なこと言ってごめんね、おねーさん。本当は寝てるふりしようと思ったんだけど、おねーさんなら飼ってくれるかな、って。
風磨くん家から逃げたくせに、また同じことするなんて、呆れるでしょ?」
飼ってくれるかな、だって。本当にもう。
こんなに"飼う"という言葉が似合う人は彼しかいなそうだ。
313人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みる - はじめまして。コメント失礼します!!このお話とはまだ出会って3日ですがすっごい好きです!!忙しいと思いますが更新楽しみにまっています!! (2020年5月22日 15時) (レス) id: 0659994221 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎま(プロフ) - 松嶋奈々子の山なしだと、松鳥になっちゃうなあ笑笑って思いながら読みました笑 これからも更新頑張ってください!! (2019年12月23日 21時) (レス) id: eb05d149fd (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - かみるさん» 更新が遅くなって申し訳ありません。ありがとうございます。引き続きお楽しみ頂けたら嬉しいです。 (2019年3月13日 22時) (レス) id: 8ef3ed792b (このIDを非表示/違反報告)
かみる - 初めまして!この作品大好きです!!!更新楽にしています! (2019年3月11日 20時) (レス) id: bc0982e177 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - このはさん» ありがとうございます!毎日とは行きませんが頑張ります。これからもどうぞお楽しみください。 (2019年2月18日 21時) (レス) id: 8ef3ed792b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のあ | 作成日時:2019年2月12日 19時