黙っていたこと。1 ページ4
「...マツシマくん？聞いても、いい...？」
ソウ「...うん。」
「風磨とは、知り合いなの...？」
ソウ「...うん、みたい。俺は全然思い出せないんだけどね。」
"みたい"...？
ずっと俯いていた彼はゆっくりと顔をあげて嗤った。
あぁまた。いつか見た光のない目。
下手くそな癖にそうやって彼は嗤う。きっと彼は笑っているように口角を上げたんだろうけど。
だってもう知ってしまったんだもの。
あなたは笑う時、大きく口を開けること。
口角を上げるだけの笑みは、愛想笑いの時でさえもしないこと。
お隣さんのおば様に偶然会ってしまった時も、わんこみたいなきゅるきゅるの目で、にっこり笑って。
私ばっかり勝手に焦っていたのに、知らない間におば様のお気に入りになってしまったんだから。
ソウ「おねーさん、ごめんね。ずっと黙ってて。
・
・
...俺、記憶がないんだ。」
「え...？」
ソウ「...おねーさんと会う半年前、事故に遭って。
全部忘れちゃった。お友達だっていう風磨くんのことも、なーんにも覚えてないの。」
困っちゃうよね、なんて眉を八の字にして彼はまた嗤う。
彼には記憶がない...？
つまり、記憶喪失？頭を強く打ったのだろうか。
「...事故、って、だって、風磨に連絡が来たなら番号、」
ソウ「あー、ううん、そうじゃなくてね。」
記憶が無いのならどうして風磨と知り合いだと分かったの。
風磨も同じ事故に遭った？いやでもそんなことは聞いていないし怪我をした素振りもなかったはず。
予想外の情報で頭が回らず、上手く言葉が出てこない私を見て風磨は、落ち着けって、と笑う。
落ち着ける訳がないでしょう、こんなの。
風磨「まっしまは高校ん時のバイト先の後輩でさ。連絡自体はたまに取ってたけど暫く会ってなくて。
久しぶりに会おうってなったから俺の店紹介したの。で、買い物した帰りに事故に遭って、救急車の音がやけに近いなぁと思って見に行ったらまっしまだし。
...心臓、止まるかと思った。」
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みる - はじめまして。コメント失礼します！！このお話とはまだ出会って3日ですがすっごい好きです！！忙しいと思いますが更新楽しみにまっています！！ (2020年5月22日 15時) (
レス) id: 0659994221 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎま(プロフ) - 松嶋奈々子の山なしだと、松鳥になっちゃうなあ笑笑って思いながら読みました笑 これからも更新頑張ってください！！ (2019年12月23日 21時) (レス) id: eb05d149fd (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - かみるさん» 更新が遅くなって申し訳ありません。ありがとうございます。引き続きお楽しみ頂けたら嬉しいです。 (2019年3月13日 22時) (レス) id: 8ef3ed792b (このIDを非表示/違反報告)
かみる - 初めまして！この作品大好きです!!!更新楽にしています！ (2019年3月11日 20時) (レス) id: bc0982e177 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - このはさん» ありがとうございます！毎日とは行きませんが頑張ります。これからもどうぞお楽しみください。 (2019年2月18日 21時) (レス) id: 8ef3ed792b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のあ | 作成日時：2019年2月12日 19時
