ごめん。 ページ29
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コンコン、と軽くノックをすると、ドアの向こう側からどーぞ、と少し気怠げな声。
｢...風磨。｣
風｢...ん、ごめんな、松島だけでも大変なのに、要らないとこで心配かけて。｣
ベッドの角度を上げて、病衣を着て、顔色を悪くして。それ以外は何も変わらないいつも通りの風磨がいた。それ以外は、と言っても私には見慣れない物ばかりでちっともいつも通り感はないのだけれど。
やっぱりこの前は気が付かなかったけど、少し痩せたような気がする。
｢ううん、そんなことない。身体は大丈夫なの？｣
風｢おぅ。どこも打ってねぇみたいだし、至ってへーき。
...あの、さ。｣
｢ん、分かってる。お母さん達には言わないから。私達だけの秘密ね。｣
風｢...さんきゅ。｣
風磨は力無く笑った。
今すぐにでも消えて無くなってしまいそう。
やっぱりいつも通りなんかじゃないね。いつも通りになれる訳がないよね、ごめん。
｢別に、風磨が何であろうと私は変わらないから。
でも、何も気づいてあげられなくてごめんね。｣
風｢...俺も、何も言わなくてごめん。
俺が勝手にパニックになっただけだから、松島には喋んないで欲しい。｣
｢...うん、分かった。｣
風｢......重なったんだ。重なった、って言っても昔の松島とだから、本人ではあるんだけどさ。
あいつ、元々あぁいう奇抜な服が好きでさ。記憶無くなる前と何も変わってないんじゃねぇかって思ったら、あれ、じゃあ記憶もう戻ってんじゃねーの、ってパニックになった。
俺ばっかり焦ってたんだと思う。また間違ったんだと思って、
...あの時みたいで怖かった。｣
情けねーのな、と風磨は嗤った。
｢間違った......？｣
風｢勝利と明花の時も、本当はあんな言い方するつもりは無かった。今更こんなこと言ったって信じらんねーかもしんないけど。
本当に2人が愛し合っているなら口も出さないし放っておくつもりだった。別に年の差とか愛の形なんていくらでもあると思ってるから。でも、どうしても勝利も明花も苦しそうな気がして、その、
......本当にごめん。 ｣
｢風磨......。
いいの、私もあの時は子どもだったから。言ってくれて今は良かったと思ってる。私も風磨にそんなこと考えさせてごめんね。｣
風｢...ん。｣
周りをよく見ているあなたのことだから、きっと最初から気づいていたんだね。
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みる - はじめまして。コメント失礼します！！このお話とはまだ出会って3日ですがすっごい好きです！！忙しいと思いますが更新楽しみにまっています！！ (2020年5月22日 15時) (
レス) id: 0659994221 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎま(プロフ) - 松嶋奈々子の山なしだと、松鳥になっちゃうなあ笑笑って思いながら読みました笑 これからも更新頑張ってください！！ (2019年12月23日 21時) (レス) id: eb05d149fd (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - かみるさん» 更新が遅くなって申し訳ありません。ありがとうございます。引き続きお楽しみ頂けたら嬉しいです。 (2019年3月13日 22時) (レス) id: 8ef3ed792b (このIDを非表示/違反報告)
かみる - 初めまして！この作品大好きです!!!更新楽にしています！ (2019年3月11日 20時) (レス) id: bc0982e177 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - このはさん» ありがとうございます！毎日とは行きませんが頑張ります。これからもどうぞお楽しみください。 (2019年2月18日 21時) (レス) id: 8ef3ed792b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のあ | 作成日時：2019年2月12日 19時
