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26*ホントの名前 ページ42




あれから暫く経った。
リクくんはもう、私やピンガに近づいてくることはなくなった。
勿論、学校でも。

せっかく仲良くなれた友達を失ったのは悲しかったけれど、変わらずピンガがそばにいてくれたし、それだけで充分だと思った。


「…(なげ)ぇ髪」


いつものようにプログラミングをしていると、横から髪の毛を(すく)われた。

急にそんなことをしてくるもんだから、こっちはびっくりして飛び上がりそうになっているというのに、当の本人は何も気に留めてない様子で。
テーブルに肘をついたままクルクルと人の髪の毛で遊ぶ。

 
「ねえ、今わたし集中してやってるの。気が散っちゃうじゃん」

「仕方ねぇだろ。教えた後にお前が一人でやってる間は暇なんだよ」

「ピンガは暇でも私は暇じゃないの…!」

「分かった分かった」


ケラケラ笑うとそのまま本格的に髪の毛を弄り出したから、ドキドキしながらも気にせずデスクトップに集中することにした。

ピンガは手先が器用だから、暇さえあれば私の髪の毛を編み込む。それも、私には到底できそうにない見たこともないような編み方で。

そんな日は、せっかくピンガに可愛くしてもらったのに、と、決まってお風呂に入るのが勿体無く感じる。


「もうすぐで16だな」


ふとそんなことを言われ、またドキッとした。


「…覚えてくれてるんだ」

「4年近く一緒にいりゃ、嫌でも覚えるっての」

「…ふーんだ」


…いっつも憎まれ口叩くんだから。


「んで、何か欲しいモンねーのか」

「えっ、」


毎年何気なくお願いを聞いてくれたりしたことはあるけど、こんな風に直接聞いてくるのは初めてで。


「…いいの?」

「まあ、聞ける範囲でならな」


ずっとずっと聞きたかったこと。
ようやく聞けるチャンスが来たのだと、いつになく緊張する。

ちょうど髪の毛から手が離れた所で、意を決した。


「……名前」

「……」

「…本当の名前、知りたい。

…まだ、聞いたことない、し…」


意外だったのか、面食らったように目を丸くした。


「………んなモン知ってどうすんだよ」

「知りたいの…ピンガのことは、全部」

「……は。相変わらず物好きだな、おめーも」

「っ?!」


急に頭の後に手が回り、耳元に顔を寄せられた。


「っ…」


いつもより一段と低い声で、一度だけ伝えられたソレ。

嬉しさを噛み締めながらその名前を呼ぶと、"今日だけだからな"といつになく優しく笑った。

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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時

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