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お節介かもしれない。でも、望んでもないのに私とばかりいさせられて、それが申し訳ないなとか、そんな気持ちからだった。
私に友達がいなくて接し方が下手くそだから、こんなことに…
溢れてくる涙を止められなくて、ボロボロと下に落ちる。
「(……ピンガだ)」
膝の上で震えたスマホの画面に示されていたメッセージの送り主はピンガの名前で。
"寝たか"
時間はいつの間にちょうど日付を超えた頃で。
既読をつけなければ良かったのに、咄嗟にメッセージを開いてしまったため、"今一度起きたところ。またすぐ寝るよ"…そう返した。
こんな風にアジトの外の石段に一人でいるなんて言ったら、また怒られるに決まってるもん。
「_____何が"またすぐ寝るよ"だよ」
そうそう、こんな風に…
「って、ピンガ…っ?」
後ろから聞こえてきた声に振り向くと、ポケットに手を入れて立っていて。私の顔を見ると、珍しくギョッとした。
…そ、そうだ、そういえば泣いていたのだと咄嗟に前を向いて誤魔化す。
「おい、…何があった」
「何もない」
「下手な嘘つくな」
「…う、嘘じゃないもん」
"はあ"と面倒くさそうにため息をつくと、ドカッと荒々しく隣に腰を下ろした。
反対に顔を背けると、ぐいっと無理矢理顔を突き合わされた。
怒っている顔とは対照的に、涙を拭う指はとても優しくて。
また止めどなく涙が頬を伝う。
「……泣くなよ」
ほら、リクくんにはあんな風に冷たい目を向けていたのに、私の前ではこんな風に優しく眉を下げて困った顔をする。
「……っごめんね。…私のせいで、壊しちゃったっ…」
「……」
「…何も気づけなくて…ごめんなさい、っ…」
あの人が何を目当てで私たちに近づいてきたのか、ピンガは気づいていた。それなのに私ばっかり浮かれて、仲良くもなれずに結局関係を壊してしまった。
・
「俺には馴れ合うヤツなんて必要ねぇよ」
私が落ち着いてきたところで、ピンガは立ち上がった。
…夜空を見上げている顔は、一体どんな
「…お前は」
見下ろしてくる顔は、暗くてよく見えない。
だけど、"自分以外に何か必要なのか?"…そう聞かれていることだけは分かった。
「……私も…何も要らない」
…貴方以外は。
私の言葉を聞くと、ふ、と自信ありげに笑った。
ねえピンガ…貴方は私を、どう想ってるの?…その言葉は、胸に秘めた_____
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時