25*亀裂 ページ39
ピンガと夕食を済ませ見送ってからは、お風呂に入り、髪を乾かし、歯を磨き…言われた通り早めにベッドに入った。
夕飯の時にリクくんはいつものようにそばに来なかったから、きっと昼休みの出来事が原因だろうと。
結局あの後はリクくんに何か言うことはできず昼休みが終わったから…きちんと話し合うことはできなくて。
ピンガがアジトにいないということも相まって、ソワソワしてなかなか寝付けない。
「(…私のことが好きって…ほんと、なのかな…)」
…だとしたら、少なくとも私と話したい気持ちもあったから、話しかけてきたのかな。私だって、そんなに鈍い訳じゃないから、それくらいのことは考えつく。
だけどリクくんの様子からは、ピンガのことを慕っているようにも見えたし…
「(……本人に聞かなきゃ)」
ハッキリさせなきゃと、寝返りを打った勢いのまま起き上がった。
・
「_____どうぞ、中に入って」
部屋に行く前に前もってメッセージを送ったからか、リクくんは部屋に入るよう促してきた。
「あー…ありがとう。でも大丈夫、ここで」
ピンガに1人でウロウロするなと言われているから、いやまあ、もうウロウロしているうちに入るだろうけども。…いずれにしても、異性だし、部屋で2人きりになるのは違うと思った。
「……そっか。
それで、話って…ピンガさんのことと昼休みのこと?」
ハッキリと言い切ったリクくんは、いつもより冷たい表情をしていて、何か言い知れぬ恐怖や素の一面を感じ、ほんの少し、体が震えた。体の横で拳を握り、深呼吸する。
「……うん、そうだよ」
…私も、ちゃんと伝えなきゃいけない。
「まずはありがとう。私を好きだと言ってくれて。
…その上で、リクくんがピンガに憧れてるって言ったのは…嘘だったの?…それとも、」
「半分ホントで半分ウソだよ」
扉を閉めそのまま寄りかかると、失笑した。
「…いつもAちゃんのそばにいられて、Aちゃんに笑顔を向けられてることに対しては、ずっと憧れを抱いてたよ。
でもそれだけ」
「……」
「…むしろそれ以外は、憎くて仕方がない」
その表情は、色がなくて、ゾッとするくらい冷たい。
「…君にあの男は相応しくないよ。
誰よりも冷酷で残忍なクソ野郎のくせに…早くから組織でのし上がり、何より君に慕われて…っ、」
気づけば、リクくんの頬を思い切りぶっていた。
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時