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"Aちゃんって、ピンガさんのことが好きだよね"
"俺は2年半ずっとAちゃんだけを見てきた…君のことが好きだから"
お昼のリクくんの言葉が、帰り道もずっと頭から離れず。
考えたことも無かったことを、いや、考えないようにしていたことを指摘されて、思いの丈を伝えられ、頭がパンクしそうで。
「____A」
「っ、な、なに…?」
一番は、リクくんの言動によって…怪訝そうな顔をしてくるピンガの前でいつも通りにいられなくなってしまった。
顔を上げていつも通りを装うと、立ち止まり急におでこに手を当てられた。
「熱はねぇな…」
真剣な顔で考え込んでいるから、なんだか面白くて。
「ふ…熱はないから、大丈夫だよ」
「つったって、さっきからぼーっとしてんだろ」
「そ、それは……寝不足?的な…?」
…本当は別の理由なんだけど…というのは悟られないように誤魔化すと、多分誤魔化しているのは分かっているかのように"なら良い"と笑った。
「今日の夜、急遽任務が入った。
夜に出ることになったから、Aも寝不足なら外に出歩かずさっさと寝ろよ」
「え、うん…分かった」
「何かあればベルモットにでも電話して呼びつけろ。
とにかく、一人でうろうろすんじゃねーぞ」
急に真剣な顔で目を細めたから、ドキッと心臓が跳ねる。
いつもと同じ仕草でも、表情でも…変に意識してしまう。
ピンガは友達でも相棒でもないし、恋人だなんてもってのほか。……ただの見張り。
…ピンガが私のことをなんとも思っていないのはよく分かってる。…上から命令されているから、仕方なく私のそばにいてくれることも、怪我をした時に心配をしてくれるのも…全部全部、
「_____おい、聞いてんのか?」
…特別な感情がないってことくらい、よく分かってる。
「…聞いてるよ。
任務、気をつけてね。本当は一緒に行きたいけど…」
「ばーか。お前を連れてったら、また無茶して飽きもせず骨折るだろ。
怪我人は大人しくしとけ」
ぺちんと軽くデコピンされ。
もう怪我は治ってるよ、と言おうとしたけど、心配からそう言ってくれてるのが分かるから、何も言わないでおいた。
「…ああ、それと。……アイツと2人になるなよ」
「…?アイツって…リクくんのこと?」
「………それ以外に誰がいんだよ」
急にご機嫌斜めになり先を歩いていくから、本当に2人の間に一体何があったのだろうと、余計に分からなくなった。
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時