23*静かな攻防 ページ36
◇
「_____お人好しだろ、アイツ」
この1ヶ月自分に話しかけてくることが一度もなかった男は、Aちゃんを遠目に見ながら、初めて口を開いた。
「この世の人間に根っからの悪い奴はいねぇって…本気でそう信じてやがる。ほんと、能天気だよな」
さっきまで優しく微笑んでいたのに、正面を向き僕の目を見た途端、鋭い目つきに変わった。
「おまけに、お前の本当の目的に微塵も気づいてねぇからな」
「……」
「お前、俺と"オトモダチ"になりたかったなんて、大嘘だろ？
端からA目当てで近づいた…ただ、警戒されないために俺の名前を出した」
バレていたのだと分かり、ドキッと心臓が跳ねた。
「…全部分かっていたんですね。
そうですよ、Aちゃんと仲良くなりたくて、咄嗟に貴方の名前を出しました。
1年の頃からずっと好きだったのに、全く僕の存在に気づいてくれなかったから…」
同じアジトで暮らしているから、アジトで話しかけても良かった…ただ、学校で出会った方が警戒されないと。
「女の先輩や周りのクラスメイトに好きな人を聞かれた時も、ずっとAちゃんの名前を出してきたのに…全く効果なし。
だからそろそろ、本腰入れようかなって思ったわけです」
僕がそこまで言うと、何か思い当たる節があるかのように"そういうことか"と呟いた。
「んで？お前はずっとAを見てきたのか？」
「も、もちろん…！Aちゃんだけをずっと…」
「ならお前の目は節穴だな」
「……は？」
急な喧嘩腰の言葉に、思わず低い声が出た。
それなのに、面白そうに、喧嘩を買ってやるというようにニヤっと口角をあげた。
「…知らねぇんだろ？アイツが一年の時どんな目にあってたのか」
「…？…な、何のことですか…？
ずっと見てたけど、いつも大人しくて周りの人に優しく笑いかけてて…」
「……まあ、Aはそういう奴だな」
なんのことを言っているのか、全く分からない。
「どういう意味なんですか？教えてください」
こっちが聞いているというのに、何も言わずにそのまま立ち上がると自分だけさっさと立ち去ろうとする。
…こんな自分勝手で横暴な人間が、どうして彼女の見張りに選ばれたのか…なぜAちゃんは、いつも楽しそうにしてコイツを慕っているのか。
「僕、Aちゃんのこと本気です。
もう遠慮しませんから」
「は…好きにしろ」
振り返り余裕そうな顔で口角を上げたことが、妙に腹立たしかった。
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです！！ (11月27日 19時) (
レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます！嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは！ご返信が遅くなりすみません…！（ ; ; ）ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…！一旦はこの状態でいこうかと思います！ (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい！続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…！どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚葉 | 作成日時：2023年9月17日 22時
