21*僕と友達になってくれませんか? ページ32
「(……またやっちゃった…)」
全治数ヶ月の大怪我。
あの一件で左腕と右足を骨折した。
あれから暫く経つというのに、しかも固定しているというのに、まだ不意に左腕を伸ばそうとしたりしてしまい…
特に学校では、不便極まりない生活を送っていた。
「(…なかなか慣れないんだよね…)」
松葉杖をついて歩くしかないけれど、ひと目について目立つこともあり、自然と図書館とか目立たない場所で過ごすようになっていた。
「…(届かない…)」
上の方にある本に必死に右手を伸ばすけど、なかなか届かない。
またピンガにチビってバカにされちゃう…
そんなことを思っていると、不意に後ろから手が伸びてきた。
「_____はい、どうぞ」
振り向くと、背が高い男の子が本を差し出してくれて。
「え、あ、…ありがとう、ございます…」
受け取ると、嬉しそうにはにかんだ。
何となく雰囲気的に年上のように感じたけれど、私は3年生で最上級生だし…それなら同学年か後輩ということに…
「僕の名前は、リクって言います。
Aさんと同じ、3年生で…」
そんなことを考えていると、自己紹介をしてくれて。
ん…?それより…
「私の名前…知ってるの?」
見覚えのない子だったから、尚更疑問で。
私の言葉を聞くと、"ごめん"とあたふたし出した。
「そうなんだ、一方的なんだけどAさんのこと知ってて…」
「なるほど…」
はにかんだ顔を見て、きっと悪い子じゃないなと直感した。
それに、同じ学年なら私を知っているってこともあり得るか、と妙に納得した。
…あれ、でも…"リク"って名前、どこかで聞いたことがあるような…思い出そうと過去の記憶を探るスイッチが入る前に、"あの…"
と真っ直ぐに目を見られて。
「…僕と友達になってくれませんか?」
「…と、ともだちにっ…?」
あまりにも真剣な顔をしているから、少し気圧されるのも事実で。だって、学校に同性の友達なんてロクにいない私と友達になりたいだなんて…
私の怪しんでいる様子が伝わったのか、また少し慌てたように"実は…"と口を開いた。
「…僕も君と同じ、組織の人間なんだ」
「えっ…?!」
確かに、組織が管理している子どもは同じ学校に通わされることが多いと聞いたことがあるけど…実際に目の前にすると、信じられない気持ちで感動すら覚えた。
私の反応を見て、嬉しそうな笑顔になって。
「…それでね、僕…ピンガさんに憧れてるんだ_____」
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時