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「いたっ?!…ひどい!!いま思いっきりやったでしょ…?!
それにバカって…!」
いつも手加減してくる割に、今は明らかに渾身の力で。
「…は、バカにバカっつって何が悪いんだよ」
「もうっ…そんなに私の部屋に入りたくないなら、そういえば良いのに…
…っ、」
恐ろしい顔で私を見下ろしてくるから、何か怒らせるようなことを言ってしまったみたいで。
「…じゃ、じゃあ私はこれでっ…」
これ以上怒らせない方が良いと察知し、鍵を開け急いで部屋に入る。"おやすみ"と中からドアを閉めようとしたところで、ガタンと音を立て手で阻止された。
「…入らねぇとは言ってねぇだろ」
スンと急に真剣な
・
「何飲む?お茶?ジュース?コーヒー?」
「
もういいから大人しくしてろよ」
「いいじゃん!初めて部屋で一緒に話すんだしっ!」
「……」
…ほんと、能天気なヤツ。
さっきからウロチョロウロチョロ部屋の中を歩き回り、何が飲みたいだの、何が食べたいだの事細かに聞いてきて少しも落ち着く気配はない。
「はい、どうぞ」
グラスを手渡してくると、何の躊躇いもなく隣に腰を下ろしてきた。
「ねえ、何話す?」
「……」
…人の好さそうな顔でヘラっと笑うのを見ると、無性に居心地が悪い。
表面上は金か殺しのことしか考えてねぇ奴ばかりの殺伐とした組織で、こんな風に能天気に笑うのは間違いなくコイツしかいねぇ。
今日は学校で何があっただの、もうすぐずっと見ているドラマが最終回だの…2年前に俺が自分を組織に攫ったのを忘れているかのように、楽しそうに話す。
「お前、俺のこと良い人間だとか思ってんじゃねぇだろうな」
楽しそうに話しているのを遮ると、不思議そうなツラで首をかしげた。
「ピンガは良い奴じゃないよ?」
「……」
「でもね、悪い奴でもないよ。
それは私が一番よく分かってる」
…たく、本当にコイツは…
「鈍感女」
「えぇ?!今度は鈍感?!_____」
・
しばらく話していると、急に死んだようにコテっとソファで眠りについた。
「(……バカ女)」
抱き抱え、ベッドに寝せる。
「(…俺がいねぇと、すぐ死んじまうだろうな)」
頬に触れても、起きる気配は微塵もない。
「(ま、せいぜい…)」
お前はずっと能天気にそうして笑ってろよ_____
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時