13*…バカ女 ページ17
「ほんとに美味そうに食うよな、お前って」
いつもみたいに食堂で晩御飯を食べている時に急にそんなことを言われ、口の中の物を吹き出しそうになった。
「……だって、ご飯美味しいし」
心底感心したように言ってくるから、食べているところをずっと見られていたのだと急に恥ずかしくなった。
……そっか、普通の14歳間近の女の子は異性の前でこんなにモリモリご飯を食べないのかもしれない。
学校でも友達と呼べる友達がいないから、私には"普通"が分からない。
「ピンガはさ、あんまり食べないよね…偏食だし。
それなのに何で背が伸びるんだろう」
「そうだな。そんなに色んなモン食ってんのに何でお前は縦に伸びねぇんだろうな」
「っ!今は私の話はしてないでしょ…!
それに、私はまだまだ伸び盛りなの!」
「ムキになんなよ、ほんとガキだな」
「……」
おかしそうに笑ってまた子ども扱いされて。
…最近はあまり"ガキ"だと言われることがなくなったと思っていたけど、気のせいだったみたい。
それに、ピンガに子ども扱いされると、やけにモヤモヤする。
「(……私の方が絶対栄養取ってるのに)」
…やっぱりピンガみたいにスラッと背が高くないと、ピンガからは大人っぽく見えないのかな。
…どうしたら早くピンガに追いつけるのだろう。
いつからか私は、そんなことばかり考えるようになっていた。
・
「送ってくれてありがとう。おやすみ」
「ああ。
…ほら、さっさと鍵開けて中に入れよ」
私がなかなか部屋に入らないからか、煩わしそうに"しっしっ"と手で追い払うようにジェスチャーする。…私は猫かい。
ピンガの部屋は私の部屋から随分と離れている。
四六時中見張るよう言われていても、仲良くなりすぎないためにか、とにかく部屋だけは隣とか近いところにあるわけじゃない。
「ピンガ、明日は任務がない日なんだよね?」
「…?だから何だよ」
「じゃあ、私の部屋寄ってく?」
何でこんなことを言おうと思ったのかは自分でも分からないけど、ピンガのことは信頼してるし、普通にいつも一緒にいる時みたいにおしゃべりしたいな、なんてそんな軽い気持ちで。
それなのに、ピンガは途端にとても険しい顔をして。
"何だコイツ"と言いだけな表情で。
呆れたようにため息をついた。
「……バカ女」
「っ?!ば?!」
"酷い"と言うより前に、おでこに思い切りデコピンを食らった。
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時