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12*不器用なヒト ページ16




「あー、ねむ」


大欠伸をして横を歩くピンガは、いつもより歩くペースが遅い。
何なら私の方が先を歩いている。


「昨日夜更かししたんでしょ?眠いならアジトにいても良かったのに…登下校くらい一人でできるよ」

「馬鹿言うな、非力なお前一人にしたら何が起きるか分からねぇだろ」

「非力ってね…」


…相変わらず失礼だな。

ちょうど正門に着くというところで、ふと目を向けると反対側からあの先輩達が歩いてきているところだった。


「「っ!」」


私を見ると、ビクッと体を揺らし全員足早に敷地内に入って行く。

先週ストラップが見つかって以来、先輩達の嫌がらせはパタリと止んだ。今までのことが嘘だったかのように。

思い当たるのは、ピンガ。
あの日、私に何も言わず学校に入って来てたから。
本人に理由を聞いても、"ただの気まぐれだ"とか"お前が帰ってくるのが遅いからだ"とか言ってはぐらかされ続けたけれど…。


「ほら、さっさと行ってこい」

「…うん。

じゃあまた放課後にね」


手渡された荷物を受け取り手を振ると、ピンガも軽く手を上げた。
さっきの光景を絶対見ていたはずなのに、何を言うわけでもなくいつも通り飄々としている。


「(…まあ、そういう人だって知ってるけども)」


たとえ…仮に気まぐれに私を助けてくれたのだとしても、それをわざわざ私に言う人ではない。
そもそも普段からそんなに口数が多い方では…


「_____A」


少し歩いたところでいつもより大きな声で呼ばれた。

振り返ると、ピンガはまだ歩き出していなくて、立ったままじっと私を見ていた…とても真剣な顔で。


「お前、堂々としてろよ」

「……」


やっぱり、先輩達からストラップを取り返してくれたのは…。


「……堂々とできない時は…?

私はピンガみたいにいつだって前を向いてられない時もある…
それに、ピンガみたいに強いわけでも…だから今回だって、先輩たちに何も言い返せなくて、」


私は真面目に話しているのに、おかしそうに"はっ"と笑った。


「その時は俺が代わりに殺してやるよ」


物騒な言葉に、周りを歩く子も何事かとチラチラと見てきて。

それなのに、ピンガはそんなこと気にも留めていない。


「だからもう一々泣きべそかくな」


自分の言いたいことだけ言うと、踵を返してさっさと歩いて行く。


「……(…ほんとに…)」


…不器用な人。

でも…あなたのそんな所、私は嫌いじゃないよ。

13*…バカ女→←11*得体の知れない男…another side



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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時

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