検索窓
今日:19 hit、昨日:138 hit、合計:43,878 hit

10*過ぎる笑顔 ページ14




「(…セキュリティがばがばだな…)」


裏口の柵から校内に侵入したが、警備員が駆けつけてくるわけでもなく、誰も俺の存在に気づいていない。
非力なアイツを早くこんな生ぬるい場所から移動させた方が良いと思っていると、廊下の向こう側からガキが5人ほど歩いて来ているのに気づいた。

近くの物陰に身を潜めると、その話し声が耳に入ってくる。


「_____あの女、必死になって泣きそうな顔でアレ探してたね〜」

「先生も授業中いないことにかなり怒ってたらしいし、
放課後にでも呼び出しくらうんじゃない〜?」

「ほんとこんなに上手く行くと思わなかったよねー」


ケラケラと面白そうに話しているのが誰のことなのか、そして何を取ったのか、すぐに分かった。

昨日のアイツの泣きそうな表情(かお)が頭に思い浮かんできた時には、通り過ぎて行ったガキ達を追いかけていた。


























「おい、そこのドブス共」


まだあくまで普通に声をかけただけだと思っていたが、焦ったように振り返り、俺を見て途端に怯えた顔に変わった。

もっと笑顔を作れだの何だのよくAに言われるが、そこら辺のガキでも俺が普通の(・・・)人間じゃないことはすぐに察知したのだろう。


「っなん、ですか…?」

「て、てかブスって…誰のこと言ってんのよっ…!」

「私たち、可愛いってよく_____」


虚勢を張ったようにピーピー煩い女共の中で、恐らく(おさ)であろうガキの前まで行き、指紋が残らないようもう既に手袋をつけた手でその髪の毛を引っ張り上げた。


「っいたっ、!」


急に何をするのだの酷いだの泣き喚くため、左腕で首を絞め言葉を発せないようにし、ポケットから取り出したナイフを眼球ギリギリに突きつける。

その様子を見て完全に抵抗する気が無くなったのか、周りのガキ達も大人しくなった。


「いいか、正直に答えろ。
アイツから奪ったストラップをどこにやった」

「っ!そんなの、っ、知らないっ…」

「……」


…殺すか。

その辺の見つかりにくい場所にでも連れて行けば5人くらい容易いな。

……そう思ったが、不意にアイツのバカみたいにお人好しな笑顔が頭に()ぎった。


「(……ああ、めんどくせぇな)」























外の倉庫に隠したとほざくガキ達に案内させ言われた場所を見ると、アイツのようにバカみたいに笑う顔のストラップが確かに投げ捨てられていた。

11*得体の知れない男…another side→←9*嘘が下手な奴



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
149人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。