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「そろそろ、Aにも銃の使い方教えてやるよ。
組織に来てからもう一年経つだろ」
外で一緒に横並びになり芝生に座っている時、ピンガはふとそんなことを言ってきた。
「ええ…私はいい。…そんなもの、使いたくないもん」
いくら悪いことを平気でやるような大人が多い組織にいるからといって、自分まで染まってしまうのは嫌。
「は、A、お前も銃の扱い方くらい覚えろ。
そんなんじゃ呆気なく死んじまうぞ。
生きてんだから、誰よりものし上がって生きる気概を持てよ」
「……」
…みんながみんな、ピンガみたいに闘争心や競争心があると思わないでよ。…それに…いつも一緒にいるくせに、"まるで独り立ちしろ"と言わんばかりのその言葉が、どうにも気に食わない。
黙った私を見て、ピンガはケラケラと笑う。
「いつまで経ってもガキだな」
「っガキって…私たち、3歳しか年変わらないじゃない?
私がガキなら、あなたも十分ガキ…3歳違いのガキよ」
「ふっ、おめー、最近年食ってから生意気になったな」
「わ、もう…!髪ボサボサにしないでよ…!」
「はっ!」
笑いながら、犬を撫でるように髪をわしゃわしゃとされ、"乙女の髪の毛を乱さないで!"と言うと、"誰が乙女だよガキ"と鼻で笑われた。
人殺しも平気で行うような組織に身を置くのは、正直とても嫌で耐え難いことも多かったけれど、私が毎日なんとか生きていられるのは、この人のおかげでもある…
そのことは十分自分でも理解していた。
「そろそろ帰るぞ」
「うん」
ヘルメットを手渡されるかと思えば、頭に被せられた。
「…もう飛ばさないでよ」
見上げて念を押して言うと、ニヤッと笑った。
「さあな」
「……」
不適な笑みを浮かべたピンガがバイクに跨ったのを確認し、自分も同じように座る。
さっきのこともあるし手の置き場に悩んでいると、後ろ手に両手を掴まれ腰に巻きつけるよう持っていかれた。
何かを言うより前に、バイクは走り出す。
「(……さっきよりスピード出てないし)」
あんなことを言っておきながら、結局私に合わせてくれる。
"…もしも私が逃げ出したら、ピンガは私を殺すの?"
きっとこの人は、いつでも私を殺せる。
…それだけの冷酷さも持ち合わせている。
それでも…
"A"
たまに見せる無邪気な顔が、いつしか嫌いではなくなって…いや、その
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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時