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1*出会い_12 years old ページ2

10 years ago_____


息が苦しい。


沢山水を飲み込み、息ができない。


ぶくぶくと私が吐いたであろう泡が上に上がっていくのが見える。


ああ、私もう死ぬんだ……。…でも、良いよね。
さっき弟も、炎に飲まれてしまったから。


「(いまいくからね…)」


目を閉じ、抗うことをやめた。









誰かに体を抱きかかえられた。

そのまま浮いていく感じがし、急に呼吸ができるようになる。


「ッげほ…っ、は…ごほっ…」


固いコンクリートに寝かせられ、ただ飲み込んだ水を吐くことしかできない。
だけど、上手く息が吸えずに、どんどん気が遠くなっていく。


「_____ったく、手間かけさせやがってっ…」


荒々しく、怖い声。

唇に触れた、柔らかい感触。

最後に見えたのは、編み上げられた髪の毛だった。











「(…ど、こ…)」


目が覚め、違和感のある右腕に目を落とすと点滴をしていた。
起き上がると、今度は左腕が何かに引っかかる。


「(鎖…手錠…?)」


…どうやら、私は捕まってしまったみたい。

鎖はとても頑丈で、何回引っ張ってもびくともしない。


「_____起きてんじゃねーか」


寝かされていた部屋のドアが思い切り開けられ、誰かが入ってきた。


「お前、俺がいなかったら死んじまってたな」


髪の毛は見たことのないような編み方がされ、襟足まで伸ばしている。釣り上がった眉に、切れ長の目、特長的な厚みのある唇。


「おい、聞いてんのか?」

「ッ、…」


屈んで目線を合わせられ、体が強張る。

自然豊かな場所で平和に暮らしてきた私にとって、無縁な男の人…多分年上だし、纏っているオーラが自分とは別世界だと。


「…は。んな取って食ったりしねぇよ。
お前も今日からこの組織で生活してくってのに」


面白そうにヘラっと笑うと、ベッドに腰掛けてきた。


「え…ここで…?」

「ああ。…で、お前の見張りが俺。
組織がお前の能力が欲しいとかなんとかでな」

「…能力…」
 

多少記憶力と耳が良いことくらいしか、思いつかないけれど。


「何だよてめー。全然ビビらねぇんだな…急に連れ去られた割によ」


"珍しいガキ"と鼻で笑い、ポケットから出したピアスを左耳につけた。


「…どうだっていい。…私以外、みんな死んじゃったから」

「……。は、そうかよ。
つまんねぇガキだな。お前、生きてんだからもっと欲持って生きろよ」


…欲を持って生きる…今の私にそんなことできるわけないと思うと、何かが頬を伝っていた。

・→←Prologue



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柚葉(プロフ) - ルビーさん» 私もそう言っていただけてすごく嬉しいです!! (11月27日 19時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます!嬉しすぎますっ (11月26日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ルビーさん» ルビー様。こんばんは!ご返信が遅くなりすみません…!( ; ; )ひとまず友達のみ公開を外しましたので、見れる状態かと思います…!一旦はこの状態でいこうかと思います! (11月25日 22時) (レス) id: 932d9e052b (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - 何回もごめんなさい!続編の方ログイン限定と出て見れないので何とかしてくれたら幸いです。しつこくてすみません (11月23日 21時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - ありがとうございます…!どうしても見たくて、、、笑 (11月23日 20時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年9月17日 22時

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