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どうするか、と男に問われて私は真っ先に野薔薇を見た。

死ぬ、野薔薇が、死ぬ?

そう考えた時、私の心臓が焼き切れるかと思うぐらい、熱くなった。

まるで、胸の奥が締め付けられるかのような心地。それを知覚すると同時に、私の脳の奥で言葉が浮かんだ。

殺そう。

突然湧き上がってきたその言葉を皮切りに、次々と言葉が泡のように浮かんでは弾けた。

痛めつけよう。私と野薔薇が痛みを受けたように。あいつに、それ以上の痛みを与えてやろう。

そう言った言葉が浮かぶたびに、私の胸の奥が熱くなった。その熱に浮かされるように、私は心の中で呟いた。

嗚呼、私は見たい。こいつらが泣き喚く様が見たい。死にたくないと懇願する様が見たい。身を裂かれ、苦悶し、そして死に絶えるところが見てみたい。

あのとき、私が、おじさんとおばさんを殺した時のように。

「…………。」

「A。」

野薔薇が私を見ていた。

「なあ、に?」

私はゆるく笑いながら目を細め、野薔薇と目を合わせないようにした。野薔薇は私に語りかけるように言った。

「……もう少しだけ耐えて。私がこいつら祓ってやるから。」

その言葉を聞いて、私は目を見開いた。私の目を見た野薔薇は笑顔だった。

「そしたら説教だから。覚悟しときなさい。」

「…………。」

私は野薔薇に返事をすることができなかった。ただ目を見開き、野薔薇を見つめることしかできなかった。

「ほう、豪語しますね。私たち兄弟に勝つ算段があるとでも?」

男の呪霊に対して、野薔薇は笑った。

「確かに、当たれば勝ちの術式、オマエら強いな。でも残念、私との相性、最悪だよ!!」

『芻霊呪法 共鳴り』

野薔薇は、自分の左手首に釘を刺した。それを見て私は息を飲んだ。

「の、ばら。」

私は右手を彼女の方へと伸ばした。けれどここからでは彼女に到底届かない。それがわかっていて、けれど足を前に踏み出すことも、手を下ろすこともできず、私はただまぶたを震わせていた。

目の前の野薔薇は、手首に刺さった釘を相手に見せながら不敵に笑っていた。

「我慢比べしよっか♡」

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しょーどくえき - わ!すっごくおもしろいです!続きがとても楽しみです!頑張ってくださいね! (2021年6月20日 16時) (レス) id: 5790125387 (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり - 今は死滅回遊ですよ!!!続きがとても楽しみです!!! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 無気力なおバカさん» コメントありがとうございます!この展開は読者様には不評かも、なんて考えている折だったので、これからの展開が楽しみというお言葉に救われました!更新頑張ります。 (2021年1月2日 23時) (レス) id: c6d1d3b3eb (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 糸野さん» コメントありがとうございます!スリルのあるなんて素敵な言葉をいただけて嬉しいです。更新が滞っていますがこれからもドキドキさせられるよう頑張ります! (2021年1月2日 23時) (レス) id: c6d1d3b3eb (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです。これからの展開がすごく楽しみです。キャラ達の関係とかもすごく好みです。更新頑張って下さい! (2021年1月2日 3時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月28日 17時

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