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パタンと本を閉じ、私は息を吐いた。風や空気が少しだけ冷たいと感じるようになった１０月の終わり、私は自室のベッドの上で一人本を読んでいた。
ただでさえ学生数が少ない呪術高専だ。夜が静かなのはいつも通りだけれど、今夜は特に静かで、逆に読書に集中できない。
「……あー。」
意味もなく声を出してみる。当たり前のことだが、私以外の声や生活音は聞こえてこない。寮にいれば少しくらいは聞こえてきても仕方がないのだけれども、今夜ばかりは仕方がない。
１０月３１日、ハロウィンの今日、私は一人で呪術高専の留守を預かっていた。私以外の呪術師はみんな渋谷周辺に向かったらしい。おそらくだけど、任務に向かったメンバーを考えるにこれは一級術師になる前に他の一級術師と行う合同任務を兼ねているんだろう。そこに私は関係ないし、一級が向かう任務ということはそれだけ危険な任務ということだから、私は待機。
それは体のいい文句で建前。本当は私と言うイレギュラーを作戦に組み込みたくなかった五条先生の策ではないかと私は考えていた。
「失敗した、なぁ。」
膝を抱えてそう呟いた。ここのところ失敗ばかりだ。呪霊の血に安易に触って野薔薇と喧嘩したのはもとより、五条先生を挑発するような真似をした結果、先生に警戒され、今こんなところで待機させられている。最大の失敗はあの呪霊を私が殺したことだ。あそこで虎杖くんと野薔薇のことを見てさえいれば勝手に死んだかもしれないのに、一時の感情に任せて力を使ってしまった。
本当に、何をしているんだろうか。
私は本をベッドの上に落とし立ち上がった。高専で待機を命じられているとはいえ、自室から出るなとは言われていない。狭い部屋に一人でいる方が気分が暗くなる。
それを教えてくれたのは誰だっけ。
「…………ああ。」
脳裏によぎった今より少しだけ幼い少女の姿に私は苦笑した。
「野薔薇か。」
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しょーどくえき - わ！すっごくおもしろいです！続きがとても楽しみです！頑張ってくださいね！ (2021年6月20日 16時) (
レス) id: 5790125387 (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり - 今は死滅回遊ですよ!!!続きがとても楽しみです!!! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 無気力なおバカさん» コメントありがとうございます！この展開は読者様には不評かも、なんて考えている折だったので、これからの展開が楽しみというお言葉に救われました！更新頑張ります。 (2021年1月2日 23時) (レス) id: c6d1d3b3eb (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 糸野さん» コメントありがとうございます！スリルのあるなんて素敵な言葉をいただけて嬉しいです。更新が滞っていますがこれからもドキドキさせられるよう頑張ります！ (2021年1月2日 23時) (レス) id: c6d1d3b3eb (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです。これからの展開がすごく楽しみです。キャラ達の関係とかもすごく好みです。更新頑張って下さい！ (2021年1月2日 3時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柑橘 | 作成日時：2020年11月28日 17時
