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「こんにち、は。歌姫先生。」

私が声をかけると、歌姫先生ははたから見てもわかるくらい大きく体をびくつかせた。

「小松、です。」

私がそう挨拶をすると、歌姫先生は私の方を向いて、それから微妙に目線をずらした。

「こ、こんにちは。庵歌姫よ。」

「へぇ。」

私は思わずそう呟いた。五条先生が何回も歌姫歌姫って呼ぶ物だから、てっきり苗字が歌姫なのかと思っていた。でもよく考えれば五条先生は誰のことも下の名前で読んでいるし、不思議なことではなかった。

「歌姫、先生、庵先生、だったんです、ね。」

失礼しました、と言葉を続けると、庵先生は驚いたようで目を丸くした。

「……気にしなくていいわ。」

先生は少し迷ったようなそぶりを見せた後、そう呟いた。そして先生はたったままの私を見て、自分の隣にある開いたスペースを指さした。

「座る?」

「はい。」

私はすぐにそう返事をして先生の隣に座った。その時も先生はびくついた。この人、私が何かをするたびに驚いたりしているなーと考えながら、私は少し遠くの方でバットを構えたり、グローブを構えていたりするみんなを見ていた。

「昨日の話の続き、してもいいです、か?」

私が聞くと、先生は黙って頷いた。なので私はとりあえず、自己紹介の続きからすることにした。

「昨日も、言ったように……小松は、非呪術師の家系、です。そして、私は、小松Aです。」

私は言葉をゆっくりと紡いだ。

「でも、私は、小松家で産まれた、わけじゃありません。私は子供の頃に、その家に、連れてこられただけの人間、です。」

グラウンドの方ではちょうど野薔薇がピッチングの席に立っていた。

「昔の話、です。昔すぎて、私は、小松A以外の名前を、知りません。だから、私は、気になるんです。先生が言った、私に似ている人のことが。その人が私の、本当のお母さんかもしれない、から。」

私は先生に目を向けた。

「先生、あなたは誰の話を、していたのですか?それは、私の、お母さん、ですか?」

庵先生は私を見た。今度は目線をずらさずに、真っ直ぐに私を見ていた。

先生はとてもとても悲しそうな、泣きそうな顔で私を見ていた。その表情を見た瞬間、私は直感した。嗚呼、きっとこの人は私の望む答えを言ってはくれないのだろうと。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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