検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:601,791 hit

44 ページ44

「やきゅう、むずかしー。」

帽子を脱ぎ捨てながら私は息を吐いてベンチに座った。

なにこれ。ボール投げて打つだけでいんじゃないの、野球って。ボールキャッチしろとか走れとか戻れとかわけわかんない。っていうかグローブ大きすぎて指余るし、ボール掴めないしで、とにかくやりづらい。

「もう、あき、たー!パンダ先輩、選手、交代!」

もともと東京校は京都校よりメンバーが一人多かった上に、今メカ丸さんがピッチャーしかできない状況になっていたりとハンデが多いのでいつでも交代したりできるのが救いだ。

私にも一応参加権はあるが、それも団体戦に参加できなかったためのお情けみたいな物だから放棄しても問題ない。というか野球のルールがいまいち把握できていない私よりも、パンダ先輩が入ったほうがいいだろう。

「おうおう、じゃあはい。」

パンダ先輩が掌をこちらに見せてきたので、私はパンダ先輩とハイタッチをした。

パンッと乾いたいい音が響いた。そして柔らかかった。初めて触れたパンダ先輩の手の平の感触に思わず笑顔になりながら私はベンチの方へと戻った。

その途中、京都校の歌姫先生と目が合った。先生は私を見るなり体を硬らせ、背筋をピンと張らせた。一方の私はパンダ先輩の手の感触に上機嫌になっていたので笑顔で大きく手を振った。

「こんにち、はー!小松、でーす!」

小松Aでーすと付け加えるとベンチの端に座っていた虎杖くんが「なんで自己紹介してんの」、と聞いてきた。

「先生、私の名前、気になるんだって。」

「へー。」

虎杖君はボトルからスポーツドリンクを補給してから続けて言った。

「挨拶してきたら?」

虎杖君は思いついたようにそう言った。多分、本当に思いつきだったんだと思う。

私は少しの間、「うーん」と唸って、それから頷いた。

「そう、する。」

立ち上がり、私は真っ直ぐ歌姫先生の方へと向かった。

45→←43



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (392 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
995人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 夢小説
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (2020年11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (2020年11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。