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青い空、白い雲、黒と白のユニフォームが映える土色のグラウンド。少年少女達の掛け声。
「これぞ、青春。」
たった今キーンといい音を立てて飛んでいった球に向けて私は声を上げた。
「ない、しゅー!」
「それサッカーだよ。」
え、と私は近くに立つ少女に聞いた。
「そう、なの?」
私が首を傾げて聞くと、その子、西宮桃は肩を竦めた。どう見ても小さい帽子が頭の上で揺れていた。
「それくらい私だってわかるよ。」
「へー、あたま、いいんだ、ね。」
「……もしかして私今煽れれてる?」
若干目つきを鋭くさせながらそう呟く西宮さんに返事をするよりも先に、怒号が飛んできた。
「小松!!!!」
「うっ。」
振り返ると禪院先輩が鬼の形相で私を見ていた。バットを構える先輩は昔野薔薇が見せてくれた漫画の中のスケバンみたいだった。
「選手交代!次あんたがピッチャー!!」
「あー、い。」
私は西宮さんに軽く片手を上げ会釈をしてから駆け足でグラウンドの中心へと向かった。
「手ぶらでくんな!グローブ持ってこい!」
「あ〜。」
先輩の言葉に私は駆け足のまま回れ右をしてベンチの方へと戻った。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時