泣きたくなる程に貴女は ｢N｣ ページ30
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うとうと、うとうと。木の影、葉と葉のざわめく音を聴きながら、自分の横で首をこっくりこっくりさせているAにすこし照れくささを感じる。好きな人がこんなにも無防備にこんなにも近くで。肩が触れ、彼女の髪の毛が自分の首に当たる擽ったさに、思わずにんまりと笑顔になる。
｢ノーマン、一緒にお昼寝しようよ！寝るのに丁度いい場所があるんだよ〜、ノーマンには特別に教えてあげる！｣
そう言ってぴょんぴょん跳ねるように、僕を案内する彼女が同い歳だとはにわかに信じ難く、しかしその幼さの残る無邪気さは嫌悪を感じるどころか寧ろ
毎日森を駆けていても、未だ見つけられていなかった�爐修両貊雖瓩法∋廚錣裟爾鮠紊欧拭�｢ふふ、知らなかったでしょう。私とノーマンしか知らないよ、ここ！｣美しい景色に、彼女の清純な笑みは、自然すぎた。あまりにも溶け込んで、彼女が大昔からそこに住んでいるような気がして。深い緑はAの健康でありつつも女の子らしさの残るその華奢な体を隠した。この木がお気に入りなのよ、なんて僕の真上から言うものだから、なんだ、ただの妖精かと、本気でそう思った。
この森は僕ら二人を大空から隠すようで、『秘密感』を自身の頭がインプットする。
じっと周りを見渡して、誰も居ないことを確認してから、規則正しい寝息を立てて眠る自分より少し小さな彼女の頭を撫でる。するとふにゃりと笑顔を見せる。そんなの狡いじゃないか。『そんな狡い彼女を知っているのも自分だけ』なんて、特別感を感じて。
どんな言葉も、彼女なら受け入れられる気がしていた。もしそれが堕つるものだったとしても、｢そうなのか｣なんてごく自然に。
それはAが、自分とはかけ離れた存在だと分かっているからだ。でも今は、そのかけ離れた存在であるはずの彼女も、僕の隣で確かに息をしていて。
清水に浸したら融けそうなその髪も、肌も、全部透明を持つ。
君の心もきっと、清水に負けないくらい美しいのだろうな。そう思うからこそ貴女を騙せない。
気を抜くと噛みちぎりたくなる程に純粋で儚い彼女に惹かれたのは。それは僕の心が醜いから？
でも…なんだかどうでもいいと思ってしまう。Aを見るだけでこの世界───僕らの未来が平和だと錯覚する様な、そんな君を。
心から愛したいと思う。
そうやって幸せそうに目を瞑る貴女の笑顔が、僕はどうしようもないほど好きなのだ。
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蜜柑の樹(プロフ) - ヤシの実さん» ありがとうございます！ノーマンサイド…成程、またいつか書かせて頂きますね、ご意見ありがとうございます！凄く嬉しいです。是非今後とも応援よろしくお願いします！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
ヤシの実 - 初めまして！「作戦の行方〜」と「君の幸せを〜」が大好きです！！レイサイド切なかったです、、、ノーマンサイドもお時間があれば読んでみたいな〜と思ったり(笑) 勿論！他の作品もとても素敵でした^^* 更新楽しみに待ってます！ (2019年3月19日 21時) (レス) id: ad6942667d (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - moca.sararenonさん» おわああああ！めっちゃ嬉しいです！更新…はい。頑張ります！(ちょっとテストだったもので…(言い訳)) (2019年3月2日 17時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
moca.sararenon(プロフ) - とっても面白いです！！！！更新頑張ってください！すごく読みやすくて、一気に読んでしまいましたああ！更新頑張ってください！ (2019年3月1日 15時) (レス) id: 86f2d024d7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - 暁ーあかつきーさん» 早速ありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2019年2月5日 22時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑の樹 | 作成日時：2018年8月8日 11時
