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なんて、そう思ってたのに。何でだろう。頬に伝うそれが涙だと理解するのに時間はかからなかった。辛いなんて、悲しいなんて気持ちを抱いた覚えは無いのに。人前で涙を見せた事に悔しい思いが募った。三人とも同じような間抜けな顔をしている。私が泣いていることに驚いているのだろうか。それにしてもなんとも拍子抜けたような顔をひっぱたきたい気持ちが込み上げてきてしまう。
エマの優しさに、皆の優しさに、気付くんじゃなかった。
｢逝きたい｣｢生きたい｣
二つの相反した気持ちが闘っているのが分かる。やめて、止めて、私に優しくしないで、そうじゃないと私はあなた達について行きそうだ。ついて行って辛いのが自分なのはよく分かってる。分かってるのに、なのに。
突然、ぐっと胸ぐらを掴まれる。
｢馬鹿！Aが逃げる理由なんて、いっぱいあるに決まってるでしょ！ここから逃げるんだよ、皆で！皆で、�狎犬�る�瓩鵑世茵��狎犬�る�瓩海箸僕�由なんかない、私はAに生きていて欲しい！｣
『生きていて欲しい』
それは言わずもがな、Aが望んだ言葉だった。
うっ、と嗚咽を漏らす。
涙でノーマンとレイの二人の顔は勿論、至近距離にいるエマの顔さえも見えないくらいだった。それほどまでに私は泣いたのだ。欲しい言葉を与えられ、それが『信じてくれた』ことの証拠となる。
涙は依然として止まらず、エマとAは抱き合う形になってしばらく時を過ごす。
ノーマンとレイは顔を見合わせ微笑み頷くと、そっとその場を離れた。
森から出てきた二人をそっと待ち続けた兄弟たちは、Aの涙を拭う姿を見て心配そうに眺める。
そして、｢皆ごめんね。｣と微笑む彼女に、｢謝ることなんてないよ｣と笑う。
もう自由時間も終了の時刻が回ろうとしていた。それでもハウスの外でAを中心に家族皆が笑っている。それは彼女の心の変化を確実に表したものだった。
自由時間終了のベルが遂に鳴る。｢ちぇー、まだAと話したかったよ。｣と誰かの呟きが聞こえる。｢またご飯の時に話しましょう。｣そう言ってたしなめる彼女の眼は、確かに笑っていた。それは心からの笑顔だと、誰もが感じる。｢そうかぁ！｣と言って笑うその子の顔も綻ぶのだった。
『家族が全員繋がった日』
その日の消灯時間間際、家族の一人が書いた日記にはそう記された。
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蜜柑の樹(プロフ) - ヤシの実さん» ありがとうございます！ノーマンサイド…成程、またいつか書かせて頂きますね、ご意見ありがとうございます！凄く嬉しいです。是非今後とも応援よろしくお願いします！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
ヤシの実 - 初めまして！「作戦の行方〜」と「君の幸せを〜」が大好きです！！レイサイド切なかったです、、、ノーマンサイドもお時間があれば読んでみたいな〜と思ったり(笑) 勿論！他の作品もとても素敵でした^^* 更新楽しみに待ってます！ (2019年3月19日 21時) (レス) id: ad6942667d (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - moca.sararenonさん» おわああああ！めっちゃ嬉しいです！更新…はい。頑張ります！(ちょっとテストだったもので…(言い訳)) (2019年3月2日 17時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
moca.sararenon(プロフ) - とっても面白いです！！！！更新頑張ってください！すごく読みやすくて、一気に読んでしまいましたああ！更新頑張ってください！ (2019年3月1日 15時) (レス) id: 86f2d024d7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - 暁ーあかつきーさん» 早速ありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2019年2月5日 22時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑の樹 | 作成日時：2018年8月8日 11時
