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─────いない。どこにもいない。
鬼ごっこが終わって森を出れば、レイとAの姿がどこにも見当たらなかった。
外にはいない。ならば図書室しかない。そう確信して、下の子たちの声を聞きもせず、ずんずんとハウスへと向かう。
二人が仲良く図書室に居るなんて、そんなの…嫌だ。
動揺が僕の本当の気持ちを透かしていく。本当は僕は、あの子じゃなくて彼女を…そうか、そうだったのか。彼女もレイも、確信犯だったわけだ。レイの気持ちに気づいていたから、僕はそんなフリをしていたんだな。思い込んでいたわけだ。
次第に柔らかい表情になっている事にノーマンは気が付かない。それほどまでに彼女を想っている事にさえ気が付かない。ただ彼の優しさを、ノーマンは噛み締め、頷いた。
ドアを目の前にして、楽しそうに話す声が聞こえる。やめてくれよ、もう参ってるんだ。
｢二人とも、図書室ではお静かにね。｣
二人はハッとして僕を見る。彼女の瞳がみるみるうちに変わるのが見て取れた。
レイは席を外す。君のそういうところがお人好しだっていうのに。隣に居るのに、その様子じゃ何もしてなくて。僕のツボを彼女につかせて、僕の気持ちを僕に判らせて。馬鹿だよ。
｢Aを探しに来たんだよ｣
なんてキザな台詞を吐けば、自分自身も恥ずかしくなる。一瞬にして空気は桃色になる。緊張が止まらなくて、それでも気づいた本当の気持ちをぶちまけたくて。
『私も』
そんな些細な言葉が嬉しくて嬉しくて。抱きしめてしまう。彼女こそ、僕が護るべき人。背中に腕がまわる感覚を感じれば、罪悪感と幸福感に襲われる。
｢お熱いこと、｣
なんだ。君も結局
隣で｢ありがとう｣と声が聞こえて彼女を見ても、彼女の目線はレイだった。僕がレイの立場なら溜まったもんじゃないなと苦笑するも、二人には届かない。
ドアが再び開き、レイが出ていく。『ごめん、そしてありがとう。』
いつのまに前にいたのか、彼女が僕を見上げる。
｢大好きだよ。｣と呟いたのが耳に飛び込んでくる。｢僕もだよ｣と呟けば、胸が幸せでいっぱいになる。その恥ずかしそうな笑顔は僕が一番多く見られたらいいな。と呑気に考える。
夜はまだ先、彼にお礼を言わなければ。
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ずっと、独りだと思ってたのに。 ｢」→←溢れる違和感の真実 ｢N｣ *ヤシの実様
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蜜柑の樹(プロフ) - ヤシの実さん» ありがとうございます！ノーマンサイド…成程、またいつか書かせて頂きますね、ご意見ありがとうございます！凄く嬉しいです。是非今後とも応援よろしくお願いします！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
ヤシの実 - 初めまして！「作戦の行方〜」と「君の幸せを〜」が大好きです！！レイサイド切なかったです、、、ノーマンサイドもお時間があれば読んでみたいな〜と思ったり(笑) 勿論！他の作品もとても素敵でした^^* 更新楽しみに待ってます！ (2019年3月19日 21時) (レス) id: ad6942667d (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - moca.sararenonさん» おわああああ！めっちゃ嬉しいです！更新…はい。頑張ります！(ちょっとテストだったもので…(言い訳)) (2019年3月2日 17時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
moca.sararenon(プロフ) - とっても面白いです！！！！更新頑張ってください！すごく読みやすくて、一気に読んでしまいましたああ！更新頑張ってください！ (2019年3月1日 15時) (レス) id: 86f2d024d7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - 暁ーあかつきーさん» 早速ありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2019年2月5日 22時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑の樹 | 作成日時：2018年8月8日 11時
