君の笑顔が眩しくて【約束のネバーランド】

それは遠い遠い永遠の夜の話。 ｢N｣ ページ32

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懲りもせず現パロ
(またお前か)


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あぁ鬱陶しい。チーズの銀紙が綺麗に剥げなかった時くらいには鬱陶しい。

｢Aちゃん、どうかな？一緒に行かない？｣



何度も断ってるんだけど。という意を込めてありったけ彼を睨み、｢行きません。｣とツン、と冷たい声を出す。私の周りだけはブリザードである。友人は目を丸くして、｢ま、あんたならそうか。｣と呆れたように笑うのだった。

何が楽しくて、合コンになんか…。




私には同居する幼馴染がいる。友人以上恋人未満、本当にそれだけ。恋心を抱きもしなければ、ただただそれはもう『家族』なのだ。血は繋がっていなくとも、何をするにも何処へ行くにも、彼とは実の家族よりも二人三脚だったに違いない。


｢あ、Aだ。その顔はまた合コン誘われたの？｣


直ぐに答えを言い当てて＿＿それは昔からだったが＿＿しまう彼の目は、なんとなく笑っていないような気がして。


｢うん。ほんと、私もはやく彼氏見つけた方がいいのかな…ねえ、いい男知り合いにいない？｣

なんていたずらに笑えば、目の前の幼馴染は面白くなさそうに私の顔をじろじろと見つめ、｢Aに彼氏は想像がつかないや｣なんてふざけた答えを返す。ばかやろう。




恋なんて、した事ないのわかって言ってる。




正確に言えば恋未遂、みたいなものはした。でもこの歳になってもまだ恋のことが分からないのだから、末期だ。どうか私に恋の教科書を恵んではくれやしないだろうか。助けてくれ。流石に未だ初恋さえも経験したことが無いなど、格好がつかん。『好きなタイプはどうなのよ』なんて友人に聞かれても困る始末。泣いていい？泣いていいんだよなこれ。





結局帰宅した私は、パソコンを開いて｢恋 何｣と検索する。彼は医学科なので忙しいだろう…と踏んで堂々とリビングで調べる。フラグはできれば回収したくない。

「気持ちが高揚して、そして自分が何をしていても自然と相手のことを考えて想像してしまう状態、ねぇ…なんのこっちゃだなぁ…」


ソファを背もたれにして倒れ込む。やっぱり分からない。

昔から他人の色恋沙汰については鋭かった方だが、実は｢恋をすること｣の定義が分かっていた訳でもない。異様に観察力に優れていただけで。




｢遅そうだし風呂入って先にご飯食べておこう。｣

そう呟いてパソコンを放置し、風呂場に向かった。




なぜ私は放置した？そのまま？？と後悔するのはまた先の話。





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