IF 「N」 ページ16
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もしも、君が好きな女の子が私だったなら。君のその、彼女に向けられた笑顔は、間近で見ることができたのだろうか。いつも、遠くから眺めるだけで。その
「起きて、A。」
あれ、いつの間に眠ってしまっていたのだろうか。重い瞼を開ければ、そこに映るのは私の想い人、ノーマンだった。そんな大層なことではないものの、想い人が目の前にいるなら冷静に『ああ、寝ちゃってた。』と言えるはずもなく、思わず叫んでしまう。
「そんなに驚いた?」
何故だろう。なんで、本来エマに向けられるべき笑顔を、今私の目が捉えているのだろう。それは明らかに、私に向けられた表情だった。
若干の違和感を覚えつつも、彼も遂に私を見てくれるようになったのかと感じて、笑みを零してしまう。「うん、とっても驚いちゃった。」と困った顔を演じれば、私を愛おしそうな目で見つめる彼が居る。
困惑。
そんな目を、貴方が、私に?
何かの間違いかと思っても、本人に聞けるはずもなく。
───しょうがないからレイに相談する事にした。
「は?」
「…は?」
何とまあ気の抜けた返事。あまりにも予想外すぎる態度に、私も顰め面である。
「…いや、お前この前自分で、ノーマンが好きだって言ってくれたってはしゃいでたじゃねえか…。どういう事だよ。」
何その話。知らない。ていうか。だって、
「ノーマンはエマのこと好きじゃないの?」
案の定、お前何言ってんだ。という冷ややかな目線を送られる。
これはどこのパラレルワールドだ?
「っA!!」
急に名前を呼ばれて驚いて顔を上げると、そこには息を切らしたノーマンが居た。
「探してたんだ。」
そう言ってにこりと笑うノーマン、いつもならそれはエマへの笑顔で、いつもならばその笑顔が私に向けてほしいと感じていたのに。何故だ。何も感じない。
「起きて、A。」
…いつの間に、眠ってしまっていたのだろう。重い瞼を開ければ、そこに映るのは私の想い人、ノーマンだった。そんな大層なことではないものの、想い人が目の前にいるなら冷静に『ああ、寝ちゃってた。』と言えるはずでもなく、思わず叫んでしまう。
…ん?何故か前にもこんなことがあった気がする。
何だったかな、忘れてしまった。
でも、スッキリしている。私は…
きっと、エマが好きなノーマンが好きなんだろうな
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蜜柑の樹(プロフ) - ヤシの実さん» ありがとうございます!ノーマンサイド…成程、またいつか書かせて頂きますね、ご意見ありがとうございます!凄く嬉しいです。是非今後とも応援よろしくお願いします! (2019年3月20日 22時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
ヤシの実 - 初めまして!「作戦の行方〜」と「君の幸せを〜」が大好きです!!レイサイド切なかったです、、、ノーマンサイドもお時間があれば読んでみたいな〜と思ったり(笑) 勿論!他の作品もとても素敵でした^^* 更新楽しみに待ってます! (2019年3月19日 21時) (レス) id: ad6942667d (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - moca.sararenonさん» おわああああ!めっちゃ嬉しいです!更新…はい。頑張ります!(ちょっとテストだったもので…(言い訳)) (2019年3月2日 17時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
moca.sararenon(プロフ) - とっても面白いです!!!!更新頑張ってください!すごく読みやすくて、一気に読んでしまいましたああ!更新頑張ってください! (2019年3月1日 15時) (レス) id: 86f2d024d7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の樹(プロフ) - 暁ーあかつきーさん» 早速ありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年2月5日 22時) (レス) id: ece34a1d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑の樹 | 作成日時:2018年8月8日 11時