夜の約束。【鬼滅の刃】【不死川実弥】

弐.最悪の再会 ページ4

Aside

うーん…病室に戻って寝てるのもなんかあれだし…
せっかくだし縁側で外でも眺めながら昼寝するかぁ…

そう決めた私は、炭治郎に少し用があるからと伝え、先に
病室に帰っててもらった。炭治郎は鼻がきくみたいだけどバレなかったかなぁ…
まあ、いいか。そんなやましいことでもないし。

そう考えながら歩いていると、下ばかり向いていたのもあって、誰かにぶつかってしまった。

誰だろう。背も高いし男性だろうか。
痛かったかな。もしそうなら謝らなければ。

『すいません、前見てなく……て』

私が顔を上げた先に居たのは、傷だらけになってるけど、目つきもすごく
悪くて怖いけど、正真正銘、彼だった。

満月の夜に、約束を交わした、彼。

謝りたかった、お礼を言いたかった、愛を、伝えたかった。

そんな、彼がここにいる。私の目の前で、私のことをジッと見つめている。
いる。私がずっとずっと大好きで、忘れたことのなかった彼が。

そう、考えると、涙が出てくる。抑えようとしても、出てきてしまう。
やめろ。堪えろ。泣くな。

「…なんで泣くんだよ…ハァ…今度から気をつけろよォ？」

一つ、嫌な予感が頭を過った。


もしかして、覚えて…ない？

参.ねえ、神様。→←壱.地獄

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す