ただ、昔みたいに...【文スト】【男主】 (ページ9)

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『最弱』の第７話ページ9

『なんで？なんで止めるの？』

ひばり｢だから幻覚なんだよ！｣

『…え？異能って事？』

いつ異能にかかったのかな？

真逆…あの男の子？

そう言えば聞いたことがある

昔、ポートマフィア内で誰かの異能を封印する為に大勢の人が死んだ事件があったはず…

確か、精神系の異能力だったよね…

『そういう事か…ひばり、この異能ってどうやったら解けると思う？』

ひばり｢気合い…？｣

『よし、気合いだぁぁぁぁぁぁぁぁ！』

ひばり｢叫んで出れる訳ねぇだろ｣

『だよn…え？』

目の前が真っ暗になる

そして意識がシャットアウトした

・

『…異能解けちゃった…』

真逆気合いで解けるとは…

久作｢なっ！真逆お兄さんも異能無効化の人…？｣

鋭い目を向けてくる久作

『違うよ。そんな異能があったら僕はこんなに苦しまなくて済んだ』

久作｢……ねぇ、お兄さんって太宰さんと兄弟なの？｣

可愛らしく首をコテンと傾げながら聞いてくる

『……そうだよ…太宰治は僕の双子の兄なんだ』

久作｢そうなんだ…あのね、僕、初めてこの異能持ってて良かったって思えたんだ！

だって、僕がこの座敷牢に囚われてなかったらお兄さんに出会えなかったもの！｣

久作の言葉に、どこかむず痒いような気持ちになった

『ねぇ、久作…僕は、生きてていいと思う？
こんな出来損ないでも…生きてていいのかな？』

こんな事、子供に聞くことじゃないと思っている…

けど、久作なら、僕の気持ちが分かってくれると思った

久作｢お兄さんは生きてていいと思う。だって、僕はお兄さんと出会えて、お話出来て、すっごく楽しかったもん！｣

久作の言葉に、心が少し軽くなった気がする

久作｢後ね、お兄さんは出来損ないなんかじゃない。だって僕の異能を解いたもん！
普通はあんなこと出来ないよ～｣

うん、久作、褒めてくれるのは嬉しいけどお兄さん照れちゃうよ

あ、めっちゃ喋り方きもちわるくなった気がする

『そろそろ帰らないと…じゃあね、久作』

久作｢もう帰っちゃうんだ…また来てね、お兄さん！｣

久作と手を振って別れ…

ませんでした

『帰り道どっち？』

久作｢…はぁ…右だよ｣

ため息つかれた…

『あ、ありがと！またお菓子持って来るね！』

今度こそ、本当に別れたよ！