ただ、昔みたいに...【文スト】【男主】

『最弱』の第１３話 ページ15

太宰治side


今日は何時も通り川を流れていた所、敦くんに捕まって探偵社に出社した



すると、私がよく知っている男がいた




私の大切な弟だ


大切なのに何故ポートマフィア時代にキツく当たっていたか？



彼を守る為だ


私が彼だけに優しくしたらどうなる？



彼はもっと酷い扱いを受けただろう


彼は異能力を持たない



私は幹部だった


しかも最年少幹部だ



恨みや妬みの量が違うだろう



幹部の弟だからと言って、誘拐され、殺されるかもしれない



たった一人の大切な家族をそんな目に合わせてたまるか




本当は、兄さんと呼ばれたい


一緒に笑い合いたい



何処かに出掛けたい


唯、普通の兄弟がするような事をしたい




彼がポートマフィアを抜けたと聞いた時、ホッとした


もう彼が手を汚す事はないんだと



そして、中也に手紙を渡された



初めは中也が書いたものだと思ったが、彼が書いたらしい




手紙の内容は、


私と昔みたいに仲良くしたかったという事や、ポートマフィアを抜けたという事など、色々書いてあった




そして、最後にはもう二度と会いませんようにと書いてあった



…彼は本当に嘘を付くのが下手だな





会いませんようにの文字が滲んでいる


泣いてたんだろう




私に会いたくないなんて書きたく無かったかなんて分からない


私は人の心を読めるわけじゃないからね



だけど…これは感だけど…私には分かるんだ




彼は…修治は私の双子の弟だから



大切な家族だから






彼を見た時、顔には出さなかったが、心の中は喜びで溢れていた



修治が私の事を許してくれているとは思わなかった


けど、少し、期待していたんだ



その期待はあっさりと打ち砕かれた




｢足でまとい｣とか｢出来損ない｣なんて言いたくない



けど、これは私のせいだから


私がまいた種だから、私が何とかしないといけない



ごめんね、修治


こんな弱虫な兄を許してくれるかい？




異能特務課でいる君は、ポートマフィアで居る時より楽しそうらしいね


安吾に聞いたよ





私達は、これからも会うことがあるだろう



ポートマフィアの時に出来た溝を、埋めるために頑張ろう



そして、しっかり謝ろう


私が謝るまで、待っててくれるかい？



私を許してくれるかい？




大切な…私の兄弟

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