好きバレしてるらしい【北信介】

＊ ページ12

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前の席に腰掛けてAさんを見つめる








『相変わらず可愛い顔しとるんやなぁ...』









近くで見ると可愛さがさらに際立つ




長いまつ毛に綺麗な二重



肌も白くてTHE・女の子って感じや









｢なんの小説やろ｣





Aさんの机にある小説を手元にとる


それは同じクラスの男女が惹かれ合う恋愛モノの小説


Aさんもこんな恋に憧れていたりするのだろうか









『ん...？』









その時だった






Aさんが体をムクっと起こした









やばいで、非常にやばいで俺









どうする俺！！！！！！！









『どうも』








俺は咄嗟に挨拶をした



最大限に平然を振舞った







Aさんは俺を見て不思議そうにペコッとお辞儀をする



とりあえず話を続けなくては








｢随分気持ちよさそうに寝てたな｣




｢あぁ...ごめん、イビキかいてた？｣




｢ううんぜんぜん｣









精一杯に平然を振る舞う



緊張を紛らわすかのように小説のページをめくる



内容なんて勿論見ていない







すると突然









『それ私の！！！』









｢わっ｣







Aさんがバンと机を叩く


驚いてビクッと思わず声を出してしまう




見上げると俺が勝手に読んでいる小説を指さしているAさん




悪い悪いと小説を返した









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