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第3話 ページ3

その日、僕達…と言うか、僕が一方的だったが…
とにかく彩奈の硬くなってしまったら気持ちを解くために一生懸命話しをした。

僕にとって彼女がどれだけ大切なのかを伝えたつもりだったんだけど…

それで彼女の気持ちが変わる事は…なかった。

『…もっと早く、その気持ち、聞きたかった』

その言葉と、机の上に置かれた紙を残して、彩奈は僕の方を振り返る事なく、荷物を持って出て行ってしまった。


…いつの間に、あんな荷物まとめていたんだろう?

何となく頭に浮かんだ疑問だったけど、その瞬間、僕は頭を殴られたような衝撃を覚えた。

彩奈の事、必要だなんて散々言ってはみたけど…
彼女がそんな事をしているなんて、これっぽっちも思ってなかった。

2人で暮らしているマンションだ。
自分がもっと彼女のことを気にしていれば、そんな異変だって気づいてあげられたのかも知れない。

食事のときだって、口数が少ないときだってあった。
でも僕は、現役時代と比べてすっかり変わってしまった環境に慣れるのに必死になってて、自分の気持ちばかり彼女に押し付けいたのかもしれない。

彩奈なら、わかってくれる、支えてくれる。

この先もずっと…

そんな風に勝手に思い込んでいたのなら…

「当然の結果…ってか」

それまで突然すぎる事に頭がパニックになっていたのに、まるで冷や水を浴びせられたみたいに、スッと冷静に分析できてしまった。

とにかくお互い時間が必要だ。

今何を言ったって、きっと彼女は戻ってこない。

もっとちゃんとした僕自身を見せないと、この状況は打破できないだろう。

この紙を出すのは、変わった僕を見せてからでも遅くない…はず。

とりあえずタンスの引き出しに書類はしまって、僕は鉛のように重くなった体をベッドの中に沈めた。

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設定タグ:羽生結弦 , 恋愛 , 妄想   
作品ジャンル:恋愛
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かりん。(プロフ) - 鹿さん» コメントありがとうございます!つい作者の心の闇が漏れて、重いテーマになっちゃうんですよねσ^_^; またちょっとネタ練ってみますので、よかったらまたお付き合いください(^ ^) (2018年3月27日 16時) (レス) id: 9714919c1c (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - お久しぶりです^^なかなかご意見ほどではないのですが、テーマが重すぎて私なら続けるのがしんどいですね〜。さくっとした軽い内容のお話をかかれては??どんな作品でも読みにまいりますけども!^^ (2018年3月27日 15時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 心菜さん» いつもコメントありがとうございます!実際そういう感覚があると、やっぱり辛いですよね…この後もそんなシーンが出てくるかもしれませんが、嫌じゃなければ、引き続きお付き合いくださいね(^^) 3日目の演技、つべで見ました!もう、心鷲掴みされましたよ!(笑) (2017年6月5日 19時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - そうですね。私も体調と場所次第なのですが、見えてしまうことがあるので、主人公ちゃんの気持ちはよくわかります。況してや人の残留思念は擬似体験になるので、きつい…。3日目の演技はYouTubeにupされてますよ?どっぷり浸ってくださーい (2017年6月5日 18時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 心菜さん» いつもコメントありがとうございます!見たくないものが見えちゃうのも辛いですからね。主人公ちゃんとどう絡んでいくか…手探りで頑張ります(笑) 浸れるならどっぷり浸りまくりでいいんですよ〜!私は録画をリピして浸ります(/ _ ; ) (2017年6月4日 7時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かりん。 | 作成日時:2017年5月17日 19時

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