８話 ページ9
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ドアを開けると、稲荷崎、青城、烏野以外は揃っていた。
こんな顔面偏差値高いとこに私居てもいいんか？
...うん。考えないようにしよう。そうしよう。
体育館の中に入ったら、みんなそれぞれ自分の高校のところに行った。
残ったのは私達、烏野に通っているマネージャーだけだ。
どうしますか？と、私が訊こうとすると、
「石川って人はお前か〜？」
と、頭上からイケボが聞こえてきた。
後ろを振り向くと、赤いジャージを着た背の高いイケメンが立っていた。
『ク...ロだ...』
私はそう、ぽつりと言ってしまう。
クロはそれを聞き逃さずに、
「何か言ったか？」
と聞いてくる。
焦りながらも、
『何でもありません。それより石川は私ですが。』
と、平常心を保ちながら言った。
クロは、まだ何か歯切れが悪そうな顔をしながらも、
そんじゃ、音駒の方に来てもらうからな。と言って、赤いジャージを着ている集団の方に向かいだした。
私は慌てて仁花と潔子さんに「またあとで！」と言い、クロの後ろをついていく。
後ろをついて歩いてみたら、やっぱり身長デカいな...。と思う。
まあ、そりゃそうか。前の世界では見たことあっても160�僂�らいまでだったもんね。
私自身も身長伸びてるっぽいし...。多分6�僂�らいは伸びてんじゃないかな。知らんけど。
てか、髪型凄い。
私やってみたけどこんな寝ぐせつかなかったよ。
枕がいつの間にかどっかいってた。
触ってみたいなぁ...。
そう思いながらもその、トサカのような髪型を見ていると、
「...クロ...誰。それ...。」
と、少し高いような声が聞こえてきた。
研磨だ！！
その声の持ち主の方を振り向いてみると、少し猫背気味で、手にはゲームを持っているその人の姿が見えた。
あ。待って。想像以上に可愛い。
なんか、ちょっと警戒している猫みたいな。
私がクロの後ろから出て、研磨の事をじーっと見ていると、
嫌そうな顔をして目を背けられた。
「嫌そうな顔すんなって。この人は、石川さんだ。またあとで紹介するけど...。」
クロが言い終わるか言い終わらないかくらいで、研磨はゲーム機に目を移した。
そんな研磨を見ながら、
「悪い奴じゃないんだよ...」と、苦笑いで言ってくる。
『...あ、いや。大丈夫です。私もゲーム中は話しかけてほしくありませんし。』
私はそう、クロを見ながら言った。
これは本音だよ？占ツクしてる時とか、ｂｌ漫画読んでる時とかに、
お姉ちゃんが私の部屋入ってきたときはガチでビビったから。
急に、「恋バナしよーー！」
とか言いながら入ってきたんやで？
...あれはビビった。
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作者名：柚子胡椒 | 作成日時：2018年12月6日 18時
