４５話 ページ48
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『え……ちょ、舞さんどうしたんですか！？具合悪いんですか！？』
驚いてそう声を上げる。
「……大丈夫だよ。Aちゃんの笑顔がまぶしすぎて目がくらんだだけだから……」
そう言いながらも抱き着いてくる舞さん。
ニヤニヤしながらも、仁花に助けを求めると、その仁花までも少しうずうずしていた。
『……おいで。仁花。』
微笑んでそう言うと、仁花はぱあっと笑顔になって、抱き着いてきた。
「うへへ……滑津先輩もAちゃんもあったかーい……」
そんな事を言いながらもへらっと笑う仁花。
『あー。もう、二人とも可愛いですねっ……！』
そう言いながら抱きしめる力を強くする。
と、そこで、カシャっというシャッター音が鳴った。
ハッとなって、周りを見渡してみると、潔子さん、かおりちゃん、雪絵ちゃんが微笑ましそうに見ながらも、カメラを構えていた。
『……お、おはっようございっます……！』
テンパりながらも一応挨拶をしておく。
すると三人も、「うん、おはよう」と、声をそろえて返してきた。
仲良しかよ。かわいいな。
『ってそうじゃなくて！いつから起きてたんですか！！』
もう声を潜める必要はないので、普通より少し大きめの声でそう言う。
「いつからって……最初からだよー？」
人差し指を顎に当て、首を傾げながらも雪絵ちゃんがそう言う。
「……っなんとおこがましいマネをしてしまったのかっ……！！滑津先輩に迷惑をおかけしてっ……！！」
ぐわああああと奇声を発しながら顔を抑える仁花に、それをなだめる舞さん。
そして三年生達は動画を大きめの音で流し始める。
……めっちゃカオスなんですがそれは。
『……というか、ご飯とか、色々大丈夫なんですか？』
私が潔子さんにそう訊くと、
「うん。朝食はここの人が用意してくれるらしいから……」
と、そう返ってきた。
「よーし。布団畳むよー。」
いつの間にか二人の中から抜け出していたかおりちゃんがそう声を張って言う。
「わーやーめーてー」
そう言いながらも転がされる雪絵ちゃん。
「だめだよ。ただでさえ起床時間すぎてるのに……。」
その潔子さんの発言に、さっきまでほんわかしていた空気がピキッと凍った気がした。
「……ちょっと先行ってますねー……」
『それじゃ、私もー』
「ふぇ！？お、お先に失礼しますっ！？」
さっきの動画を撮っていたのをまだ怒っているのか、黒い笑顔でそう言いながら部屋を出ていく舞さんについて、私と仁花も部屋を出た。
……うん。まあ、ひどいことしたとは思ってるけど、とりあえず女子部屋からの声がうるさいです。
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作者名：柚子胡椒 | 作成日時：2018年12月6日 18時
