２１話 ページ23
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とまあ、それから色々話しながらもなんとか夕飯を作り終えた。
「...凄い量だね...」
潔子さんが若干引き気味になりながらも言う。
「でも美味しそうです...！」
仁花が目をキラキラさせて潔子さんにそう返す。
「うるさくなってきましたね...」
舞さんが綺麗な顔を歪ませそう呟く。
「選手の皆が来たんだね〜...」
雪絵ちゃんがカレーを見つめながらそう言う。
今にも手を出しそうだ。
「こら。雪絵。そのスプーンどこから出してきたの...。」
かおりちゃんが雪絵ちゃんに注意する。
とここで、私はあることに気づく。
『...あの。植野さんはどこにいるんでしょうか。』
私がそう言うと、皆の顔が曇った。...なんかすみません。
とそこで、ばっと調理場のドアが開いて、植野が入ってきた。
「あっ！出来たんですか！それじゃあ注いでいきましょうよ！選手さんたちも来てるんですし！」
植野はそう笑顔で言った。なんの謝罪の言葉もなしに。
先輩たちはもう諦めているようだ。
「今いる人達は先に入れてもらってください！！」
かおりちゃんがカウンターから顔をのぞかせてそう大きな声で言う。
すると今いる選手たちがゾロゾロとやってきた。
稲荷崎の選手が全員いるのは北さんの教えなのかな。五分前行動的な。
ちなみに私は仁花とペアで、私がご飯をよそって、仁花がルーを入れる。
『どのくらいですか？』
...やべえ。治だ。かっけえ。
「...出来るだけいっぱい入れてくれ。」
私はこの声聞いたことあるなーと思いながら、分かりました。と答え、出来るだけお皿にいっぱい入れ、それを仁花に渡す。
ちなみに私、声優はそんなに詳しくないからね...。有名どころしか知らないと思う。
「おおきに。」
そうお礼を言って、治は席に戻っていった。
すると次は侑が来て、
「サムより多く！！」
と言ってきた。
『...分かりました。』
あれより多くしたらこぼれそうだけどな...。と、戸惑ってしまった。
それを仁花に渡して、
『気を付けてね...』とこっそり耳打ちする。
仁花はそーっとついで、「どうぞ...！」と侑に渡した。
「ありがとさん。」
そう言って侑は治の席の正面に座った。
...と、こんなことを繰り返して、ついに全員分入れ終わったのだった。
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作者名：柚子胡椒 | 作成日時：2018年12月6日 18時
