9話 見つかった ページ10
｢侑が昨日頼んできたんは、七瀬を呼ぶためやったんやな｣
｢あははー、双子はちっさい頃から見てまして。突然すみません｣
｢ええねんええねん。ゆっくりしてきや。てかアドバイスしたって｣
｢いや、そんな私アドバイス出来るほどでは｣
｢ホォー、俺に指導させといてそれ言うん？｣
｢すみません.....善処します.....｣
全く変わっていないのは黒須監督もで、高校時代の地獄のような楽しい日々を思い出した。
中学からバレーを始めて高校でもバレー部に入った私。でも男バレには監督がいるのに女バレには居なくて、沢山苦労したし悔しい思いをした。
私達が2年に入る時に、同期達で監督を探すことに決め、男バレの監督に話をしに行った。そこで紹介してもらったのが黒須監督で、最初は監督を断られたが私たちの面倒くささに負けたのか、女バレ監督をしてくれることに。
そこからビシバシ鍛え上げられ、目標だった全国まで行った。毎度毎度準優勝止まりで、黒須監督には申し訳無かったけれど、本当に黒須監督には感謝してる。
めっちゃ凄い人なんだよ、この人。
｢懐かしいなあ、この体育館｣
｢七瀬も歳とったってことや｣
｢む、高校生に比べたらそりゃあ。でもまだこれからです｣
私たちが引退した後男バレに移ったらしく、そこからずっと監督していると聞いた。
懐かしみながら黒須監督とお話していると、休憩らしく声が掛かった。やば、と思っているうちに生徒たちが休憩を取り始めてしまった。
｢あっっっ！！佑月ちゃん！！｣
侑がこちらを指さして声をあげた。あちゃー、と頭を抱えていると侑は寄ってきてニコニコとしている。
｢佑月ちゃんいつから来とったん？はよ言ってや、そしたらもっと俺本気出したわ｣
｢バレたくなかったんだけどなあ。
あ、差し入れ！これスポドリの粉と、エネルギーゼリー｣
｢え、箱やん。さすが元運動部.....実用性あり過ぎやしめっちゃ量ある......わかっとんな.....｣
｢七瀬ええん？こんな貰って悪いわ｣
｢いいですよ全然〜双子が迷惑かけてるだろうし。お詫びです｣
｢なんでや佑月ちゃん！！｣
まあちょっと痛い出費だったけど、もうすぐ社会人で沢山働くので目を瞑ろう。
すると黒須監督がある男の子に何かを指示して、その子が全体に声を掛けた。その瞬間、一気に各々休憩していたバレー部が集まってきて顔を引き攣らせる。
ちょっと黒須監督！！なにしてくれてんです！！
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あたりめ - 侑が犬系なのすごく刺さりますww (2022年8月26日 16時) (
レス) @page11 id: c928443793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるじゃん | 作成日時：2020年7月24日 15時
