9話 * ページ10
｢焦凍早すぎ....手加減してよ...｣
｢新発売の蕎麦アイスが食べてぇ｣
｢何それまずそ、｣
お察しの通り焦凍が勝った。いや、先手を切って前の方を走っていたはずなんだけど、後半どんどん焦凍が追い上げてきて負けてしまった。
｢じゃあね、また明日！明日ちゃんと起きてよ〜｣
そう言って、手を振り自分の家のドアを開ける。ん？あれ？なんで焦凍は着いてくるの？
｢焦凍さん？なんで着いてくるの？家にお帰り？｣
｢？今日は佑月の家に泊まる。｣
｢え？初耳なんですけど、｣
｢悪ぃ、言い忘れてた。｣
｢えぇ、炎司さんも心配するし帰りなよ｣
｢大丈夫だ。親父には佑月の家行くって行ったし、今までにもあっただろ。....ダメか？｣
｢.....んんん。....しょうがないなぁ｣
今日泊まると突然言い出した焦凍。この様子から絶対意志を曲げる気はないらしく、じっと私の目を見てダメか、と問いかける。
そんな事されたら断れないの知ってんじゃん。案の定、焦凍の思惑通り(無意識)泊めることになった。
家には私しかいないから特には問題ないんだけどさぁ、
｢あーあ、ご褒美のアイス食べるつもりだったのに、｣
いつもならすんなり受け入れる私が今日は渋る理由。それはアイスにあった。
2個あるなら、泊まっていかなくても、焦凍と食べるつもりだったが、生憎1個しかない為ランニングの後こっそり食べようと思っていたのだ。
｢半分こして食べればいいじゃねぇか｣
｢.....まぁそうなんだけどさ。1個まるまる食べたいじゃん｣
リビングに行くと、早速冷凍庫を開けてカップアイスを取り出す焦凍。2人並んでソファに座って、アイスを食べる。
｢うまっ！運動後のアイス最高！｣
｢あ、｣
｢自分で食べてよ.....しょうがないなぁ、はい｣
口を開けて待つ焦凍。仕方ないから、口に入れてあげる。すると、うめぇと目を輝かせる。もっと、と口を開けているから何度かアイスを運ぶ。
｢ちょっと！もう後ちょっとしかないんだけど！｣
｢美味かった。風呂入るか｣
天然でマイペースを全く崩さない焦凍に肩を落として、残りの少ないアイスをちまちま食べる。
さっきの勝負負けたの私だけど、アイス買ってもらお...
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ミルフィーユ - 終わりなんですか...？悲しいですが、すっごくほっこりするお話でした。 (2020年7月3日 19時) (
レス) id: 9176ab7d5f (このIDを非表示/違反報告)
あるじゃん(プロフ) - りるるさん» コメントありがとうございます！大変励みになります...！頑張ります！ (2020年6月1日 2時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 尊い(*´∇｀*)応援してます！！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: 335947b1ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるじゃん | 作成日時：2020年4月17日 0時
