26話 * ページ27
今日の帰り、職員室に呼び出されて、子猫の引き取り手が見つかったことを相澤先生に知らされた。元々、引き取り手の心当たりはあったらしく、急なことに少し戸惑う。
｢別に、お前が飼いたいなら断るのもありだぞ｣
｢......はい、｣
思ったよりも随分早いお別れに寂しさが募る。でも私は飼えるわけがないし、しっかり育ててくれる人の元に引き取られるの1番だとはわかってる。
でもどうしようもなく、一緒に暮らしたいという気持ちが脳を占領するのだ。
｢焦凍が下駄箱で待ってるので、話してきてもいいですか？｣
｢あぁ、決まったら職員室まで来てくれ｣
__________
｢お、帰るか？｣
｢焦凍、子猫の引き取り手見つかったんだって｣
｢！早いな、｣
頭をモヤモヤさせたまま下駄箱に着いて、待っている焦凍に声をかける。
引き取り手が見つかったことを伝えると、焦凍は驚いた後、寂しそうな顔をして俯いた
｢絶対、引き取ってもらった方がいいと思うんだけどさ....｣
｢....あぁ｣
｢寂しいよね、｣
｢そうだな....｣
2人して暗い顔になって俯いているから、道行く人に怪訝な顔で見られる。
｢引き取ってもらおう｣
｢！｣
｢子猫はそっちの方が幸せだろ｣
｢....うん、そうだよね｣
焦凍がそう言い気持ちを固めらせてくれて、引き取ってもらう事にした。
2人で職員室まで向かって、相澤先生に伝えると優しく微笑んで私たち2人の頭をクシャっと撫でた後、仮眠室で待っているように言われた。
今から引き取り手の人が来てくれるらしい。それまで、仮眠室で子猫と遊んでいた。
__________
仮眠室で子猫とお別れをする。仮眠室に現れたのは優しそうな方で安心した。最後に子猫は小さく泣いて、私の手をその小さな舌で舐めてくれた。
涙が出そうになるのをグッと我慢して、引き取り手の人にお礼を言ってその場を去る。
子猫が幸せに暮らせますように。
子猫が健康で長生きしますように。
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ミルフィーユ - 終わりなんですか...？悲しいですが、すっごくほっこりするお話でした。 (2020年7月3日 19時) (
レス) id: 9176ab7d5f (このIDを非表示/違反報告)
あるじゃん(プロフ) - りるるさん» コメントありがとうございます！大変励みになります...！頑張ります！ (2020年6月1日 2時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 尊い(*´∇｀*)応援してます！！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: 335947b1ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるじゃん | 作成日時：2020年4月17日 0時
