24話 * ページ25
｢わ〜！かわいい！｣
｢人懐っこいんだね！｣
昼休み。先生から会議があるから見れない、と子猫を渡され、教室に連れてきた。案の定女の子たちに囲まれ、撫でられている子猫。
｢朝の鳴き声ってこの子猫だったのね｣
｢そうだよ梅雨ちゃん〜、あの時心臓止まるかと思った｣
｢相澤先生も許してくれるなんて優しいわ｣
｢うん、なんか先生すっごい猫好きらしいくて、見逃して貰ったの｣
梅雨ちゃんと喋っていると子猫は女の子たちの手からすり抜けてどこかへ歩いていく。あれ？と思ってその姿を目で追うと、気まぐれに歩き回って、最後は椅子に座っている爆豪くんの膝に飛び乗った。
｢え！なんで爆豪くんのところに！｣
｢あ？｣
｢爆豪ちゃんの膝で寛いでる子猫ちゃんかわいいわ｣
｢梅雨ちゃん！そんな場合じゃないよ！爆豪くんに爆破されちゃう！！｣
膝の上の子猫をみて頬を緩ませる梅雨ちゃんとは対象的に、私はあわあわしていた。だって、爆豪くんが猫と戯れるとか考えられないもん。
｢あぁ！？そんなことしねェわ！殺すぞマグマ女！！｣
｢悔しい！自分から爆豪くんのところ行くなんて、負けた気分...!｣
｢話聞けや！！｣
目を釣りあげて怒る爆豪くん。その間も呑気に体を舐めている子猫。すると、その子猫が爆豪くんの手にすりすりと頭を寄せた。
爆豪くんは少し目を見開いて、フッと笑い子猫の頭を撫でた。
｢.....何撮ってんだテメェ！！！｣
｢これいくらで売れるかなぁ｣
｢今すぐ消せ！他のやつに見せたら殺すぞ！｣
｢めっちゃいい写りだよ！さすがイケメン。えになりますなぁ｣
無意識にその姿をスマホで撮っていた私。レア過ぎて新聞に載りそうぐらいに見たことがない、爆豪くんの優しい微笑み。
バカにしたようにフッと笑うならあるけど、こんな優しい笑みは見たことがない。緑谷くんなら見たことあるのかな？いや、なさそう。
｢ん〜でもうちの焦凍の方が可愛いんだよな〜〜｣
｢はァ！？！？俺が半分野郎に負けるわけねェだろ！！｣
｢いくら爆豪くんでも焦凍の可愛さには勝てないよ！純粋無垢天然イケメンキャラの焦凍を舐めないで！！｣
｢願望入りすぎだわ！！｣
いつの間にか謎の張り合いに発展していった。爆豪くんは自分の言ってることが分かってるのだろうか。これじゃあ、俺の方が焦凍より可愛いって言ってるのと一緒だよ。
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ミルフィーユ - 終わりなんですか...？悲しいですが、すっごくほっこりするお話でした。 (2020年7月3日 19時) (
レス) id: 9176ab7d5f (このIDを非表示/違反報告)
あるじゃん(プロフ) - りるるさん» コメントありがとうございます！大変励みになります...！頑張ります！ (2020年6月1日 2時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 尊い(*´∇｀*)応援してます！！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: 335947b1ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるじゃん | 作成日時：2020年4月17日 0時
