4,七緒side ページ6
遅れて教室に入ってきた女子を見たとき、密かに胸が高鳴った。
綺麗な髪。不思議な色の輝く瞳。柔らかそうな肌。すらりとした手足。
自分は少し変なのかもしれない。そう思うほど、その子に見とれた。
荒木先生に怒られ、しょげている姿を、可愛いと思った。
これが漫画とかでよくある、一目惚れってやつか。
(…ほんとにあるんだ。)
「吉條、手を上げろ。」
そう言われて手をあげたとき、目が合った。思わず顔が熱くなる。
この子と隣の席になれる。
すごく、嬉しかった。
「俺、吉條七緒。あ、名前なに?」
話しかけると、その子は透き通る声で言った。
『よろしくね、七緒くん。私は、佐野A。』
「Aね!よろしくー」
Aは笑った。可愛い。
俺は必死に顔に出ないように振る舞った。
昼になり、Aを食堂に誘った。
もう、友達と言ってもいいほどの関係性にはなったとは思うが、もっと仲良くなりたい。
『うん!行こっか!』
Aと同じクラスになれて、隣の席になれて、仲良くなれて嬉しい。
(気持ち悪いな……俺)
でも、俺はそれくらいAに夢中になっていた。
緩む頬をAに見せないように、食堂に向かった。
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作者名:白石桃 | 作成日時:2018年8月26日 0時