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それからは、あっという間だった。
私が犯人の手に噛み付いて男が痛みに悶えた隙に、長身の男の人が私を抱き抱えて犯人から離してくれ…またまたその隙に、男の人の知り合いらしき4人の人が犯人を押さえ付けた。

捕まって良かったとホッとしていると、私を下ろした長身男性が急に私の両肩に手を置いてきた。


「危ないだろ!!!一人で犯人に向かって行ったら…!!!」


さっきのように焦った顔で、そう言ってきた。


「っもう少しで撃たれるところだったんだぞ…!
自分がどれだけ危険なことをしたのか分かってんのか?!」


…どうやら私は、叱られているらしい。


「…だって…男の子が、危なかった、し…」


まさかこの年になって叱られるとは思っておらず、気まずくて俯くしかなくて。


「でも…貴方だって私に向かって来たじゃない。
それにほら、貴方のお友達…?も」

「そりゃ俺たちは…!」

「……俺たちは…?」

「っ…」


先を促すように聞き返すと、途端に押し黙り、頭を掻きながら溜息をついた。
心を落ち着けるように深呼吸したのを見て、きっと悪い人ではないと思った。


「…ごめん、ちと頭に血が上っちまった。
君が無事で良かったよ」


眉を下げてニコッと笑ったのを見て、少しチャラそうだけど、危険も顧みず私に向かって来てくれたし、根は優しいのだなと。


「_____おうおう(ハギ)ー。
俺らが男捕まえてる間に女口説いてるとはいただけねぇな」

「っ、陣平ちゃん…そ、そんなんじゃねぇーよ」


ぞろぞろと友達らしき4人がこちらまでやって来て、ハギという男の人のそばに立った。
みんな背も高いしガタイも良くて、何だか警察官みたいな風貌で。さっきもナイス連携だったし。…少し怯んでしまうのも事実で。


「…そ、それじゃあ私はこれで。…みなさんも、あと、ハギ?さんも…助けてくださってありがとうございました」


足早に立ち去ろうとすると、ハギさんに腕を引かれた。
びっくりして振り返ると、腕を引いた本人も目を丸くしてびっくりしていて。

…て、何で腕を引いた張本人がびっくりしてるんかい。


「あ、あー!萩原は事情聴取があるだろうからって引き留めたんだよな?!」

「そ、そうそう…!そうゆうこと、班長…!」


一際背が高い人の言葉に、ハギワラくんという人は焦りながら賛同した。…て、あれ…?


「事情聴取あるの?!」


私の言葉に、みんなの視線が集中した。

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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年10月16日 0時

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