来世もまた恋をしよう。【萩原研二】 (ページ19)

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「「告白した〜っ？！」」

揃いも揃って食堂で大声を上げ目を丸くする班長達に、何もそんなに驚かなくてもいいだろうと。

「萩原、お前生き急ぎすぎだろ…！
まだ出会ってほんの二週間足らずだぞ！」

「そうそう、ちょっと展開が早すぎる気がするよな」

「Aさんに引かれたんじゃないのか？」

陣平ちゃん以外はみんな、口々にありえないといった様子で。

「松田もなんか言ってやれよ…」

「どうにもできねぇよ。本気になったこいつをとめるなんてな」

「本気って…こんな短期間で誰かを好きになるなんて俄かに信じがたいな」

「ははっ、降谷ちゃんは相変わらず頭が固いなー。
好きになる時なんて一瞬だよ。自分でも予想してない瞬間に…」

「…じゃあ萩は、この短期間でAさんのどこを好きになったんだ？」

まだ言いかけているのに、まるで尋問するかのように問いかけてきた降谷ちゃんは、ジト目の表情を見てもどうやら少しムキになっているらしい。

"ゼロはちょっと子どもっぽいところがあるから"と、横から諸伏ちゃんが耳打ちしてくる。

「…う〜ん…正直全部？かな…
Aちゃんの全部が愛おしいってか、超可愛いし」

真っ直ぐなところや、自分を差し置いてまで人へ優しいところなどきっかけこそあれど、一つに絞るのは難しい。

「それは少し抽象的過ぎないか？もっと具体的に…」

「まあまあ、降谷ちゃんもいつかそう思える人が見つかるってさ。

降谷ちゃんは初恋からして年上派かもしれねーけど？

意外と全部受け入れてくれるような、年下のしっかりした自分とは反対の大人っぽい子とか…」

「それって僕が子どもっぽいって意味で言ってるのか？_____」

"辛かったんだね"

ああ、そうかとまたピンときた。

昔から自分の本心を表に出すタイプではなかったし、弱みを出すなんてことは以ての外。人から核心をつかれるのは正直苦手。
自分も、気づくのは得意だが人の核心をつくのは避けてきた。

だけどAちゃんは、いとも簡単に俺の本心を見透かし、平気で俺の核心をついてくる。

"萩原くんは、よく頑張ってるって…私はそう思うよ"

無条件に自分を受け入れて貰えている感じがし、とても安心したのだと。

「ふ…やっぱり俺たちは、自分とは反対の大人な子が良いってことだな、ゼロ！」

「はぁ？なんで僕まで一緒に_____」

降谷ちゃんに肩を組みながら、次はいつAちゃんに会いに行こうかと思いを馳せた。

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