来世もまた恋をしよう。【萩原研二】 (ページ18)

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「……それは…と、友達としての好き…？ではなく…？」

俄に信じられなくてそう聞くと、萩原くんは目を丸くしギョッとした。

こんなに驚いている姿を見たことがなくて、不覚にも吹き出しそうになった。

「もちろん異性として…って、まさかAちゃん、俺が友達として言ってるってずっと思ってた？」

「うん…だって萩原くん、きっと女の子の友達も多いでしょう？だから、私はその一人でって意味かと…」

率直に思ったままに伝えると、少しムッとした気がした。

今日の萩原くんはコロコロと表情が変わるから、見ていて飽きなくて可愛い…。

「…あー、まあ確かに。…今までの俺の行いからすると、そう思われるのも無理はないし、色々と否めない部分はある…けど。

でも、俺は本気(マジ)で言ってる。本気でAちゃんが好き」

「っ…」

なんてったって、そんなに真っ直ぐな目でド直球に伝えてくるんだ。
　

「ほんと自分でも不思議なくらい、初めてこんなに人を好きになった」

「……」

「…マジでずっとAちゃんが頭から離れないんだよね。
例えばさ、Aちゃんがこの前っ、」

「っすとっぷ…！！」

「っ…？」

目を丸くして驚いているけど、こんなのずっと聞いていられるわけがない。

「ちょ、と一旦インターバルを…
キャパオーバーになっちゃう…」

両手で萩原くんには顔が見えないようにし、何度も呼吸をする。
慣れてない状況すぎて、不格好に慌てることしかできない。

「…っふは、」

「っ、何笑ってるの…？！」

「ごめんごめんっ…なんかAちゃんの方がすごい焦ってるから、可愛くてさ」

「っ〜！」

誰の言葉でこんな風になっていると思ってるの。

「も、もう知らないんだからっ…」

なんだか自分だけ慣れてないのが恥ずかしくて、立ち上がって海辺を先に歩く。

「わ、待ってよ…！ごめんってAちゃん…！」

後ろから慌てたように追いかけてきた萩原くんにお構いなしに歩き続けていると、不意に手を引かれた。

弾かれたように振り返ると、すぐにパッと手が離された。

「っごめん…つい繫いぢまった」

「……」

頬が赤いのは、夕日のせい？それとも…

「…Aちゃん。無理にお兄さんのこと忘れようとしなくて良いからさ。

少しずつ、俺のことも考えてくれたら嬉しい」

…ねえ萩原くん、知ってる？

私はもう、出会った時から…少しずつ貴方に心を奪われていってるんだよ。

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