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「わー!仮面ヤイバーだー!」

「ちょ、元太くん!走ったら危ないよ…!」


歩美ちゃんと手を繋いで歩く私の声なんて一切聞こえてないかのように、元太くんはヤイバー一直線に走って行く。


「たく、元太の奴…聞きやしねえ」


今日は先週はポアロにはいなかった、たった今呆れ顔をしているコナンくんも一緒に来ていて。


「コナンくんは何だか大人びてるよね。まるで高校生、みたい…」

「っえ、そ、そうかな〜?僕、全然大人じゃないよー!
わ、わーい!ヤイバーだー!!!」


うわずった声を出すと、コナンくんもそのまま元太くんと光彦くんの元へ走って行った。


「はは!コナンくん変なの〜!」

「ふ、ほんとだね…
あ、ほら歩美ちゃんヤイバーと写真撮りたいんだよね、私が撮るよ」

「いいの?ありがとう!

Aお姉ちゃん、安室さんと同じで優しいね」

「ええ、安室さんと?」


不意に安室さんの名前が出て、ドキッとした。
優しいのは確かだけど、ふと冷静な表情も見せるから、どれが本当の安室さんなのか分からない。歩美ちゃんは嬉しそうにうんうんと頷いているけれど、私はほんの少し、安室さんに怖さを感じる。


「安室さんはね、コナンくんと一緒でいっつも事件を解決に導いてくれる頭の良い探偵のお兄さんなんだよ!」

「探偵だったんだ…?!」

「うん!そうだよー!小五郎のおじさんに弟子入りしている探偵さんだよ」


そっか…だから、コナンくんがお世話になっている毛利探偵事務所の下のポアロで働いてるのかな。
でも……私のお見舞いに来てくれた時は、スーツを着ていた。
あの名状し難い雰囲気は、とてもじゃないけど喫茶店のウェイターにも探偵にも思えなかった。


"貴方の証言のおかげで、無事にあの男は逮捕できました"


「(そういえば…)」

 
あの時、"逮捕できました"って言ってたけど…。
よくよく考えてみると、"自分たちが逮捕した"という意味にも捉えられるような……


「じゃあ撮るよ〜!はい、チーズ!」


…考えすぎかな。


「(あれ、今…)」


カメラに映る歩美ちゃんと仮面ヤイバーの後ろに、安室さんみたいな人が通った気がした。
すぐに辺りを見回したけど、安室さんらしき人はどこにもいなかった。









イベントの後、なんとなく安室さんの言う通り早く帰ろうとしたけれど、ご飯を食べたいという元太くんが迷子になってしまい、注意されていた時間は刻一刻と近づいてきていた。

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柚葉(プロフ) - かえでさん» かえで様。コメントありがとうございます!すみません、今2と3の体裁を整えている関係で一時的にパスワード保護してます!まだ修正が済んでいませんが、読んでる途中に若干体裁が変わるのが気にならなければ、メッセージでパスワードをお送りします!いかがでしょうか? (8月25日 18時) (レス) id: 00a9d1680b (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - シリーズ2個目を読みたいンですけど無理でしょうか?パスワードがかかってるようで (8月25日 17時) (レス) id: bf6f1db929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年6月18日 14時

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