今日:68 hit、昨日:21 hit、合計:119,560 hit
小|中|大
その言葉でまた涙が出てきて、止まらなくなる。
喋ろうとしても、うまく言葉が出てこない。
「___頼むから泣かないでくれ。
…君が泣いていると、どうして良いか分からなくなる」
涙も出るに決まってる。そんなの、誰よりも…。
「心配、だから…大切に…っおもってるから…。
だから、涙もでる…っ、あたりまえだよ…」
「……」
こんな電話でじゃなくて、ちゃんと面と向かって声を聞きたいのに。…それが叶わないのがもどかしくて堪らない。
「…わたしもそっちにいきたい、いかせてっ…」
「___それはできない」
鋭い声で遮られた。
「どうして…?私の、せいだから…?
…やっぱり、組織が…っ、」
そこまで言って、久しぶりにこの単語を口にしたと自覚した。
安室さんの顔を見ても、組織のことは当然知っているんだなと嫌でも分かった。
私が元いた場所、いや、家族が亡くなってから必然と囚われていた場所。同時に、私たちを引き合わせたであろう存在。
「___今回のことは、組織は関係ない。
これは、過去の僕に個人的に恨みを持った人物によるものだから。
間違っても君のせいじゃない。だから、君を巻き込めないし、巻き込むつもりもない」
ハッキリと言い切られ、また悲しくなる。
私は少しも力になれないのか、組織のことじゃないとしても、何か役に立てることはないの?
「やだよ…っ…他の人なんて、助けなくて良いじゃない。
警察だからとか、どうだっていいっ…
私は、安室さんにも勿論飛田さんにも…ただ生きていてほしいっ…」
私の言葉に、"その言葉だけで充分だよ"と、久しぶりに笑ってくれた。久しぶりに、優しく笑った顔を見た。
同時に、飛田さんと2人の男の人が私のそばに来た。
「もう時間です」と、非情にもその言葉でこれは現実なんだと、また愕然とする。
嫌だと抵抗するけど、「お願いだから言うことを聞いてください」と飛田さんも悲しそうな顔をした。…それでも、ここから離れたくなかった。
「___A」
…そんな風に優しく呼ばれたら、動きを止めるしかなかった。
「___大丈夫、僕は必ず戻るから」
"戻ったら今までのことも全部話すよ"と、そう言って受話器を置こうとした。
「…まって、…っ降谷さん…!」
また布を目元に当てられる前に、咄嗟にそう呼んでしまった。
いつの日かのように、少し困ったように…でも嬉しそうに笑った。
その顔を最後に、また視界が真っ暗になった。
42. ページ43
その言葉でまた涙が出てきて、止まらなくなる。
喋ろうとしても、うまく言葉が出てこない。
「___頼むから泣かないでくれ。
…君が泣いていると、どうして良いか分からなくなる」
涙も出るに決まってる。そんなの、誰よりも…。
「心配、だから…大切に…っおもってるから…。
だから、涙もでる…っ、あたりまえだよ…」
「……」
こんな電話でじゃなくて、ちゃんと面と向かって声を聞きたいのに。…それが叶わないのがもどかしくて堪らない。
「…わたしもそっちにいきたい、いかせてっ…」
「___それはできない」
鋭い声で遮られた。
「どうして…?私の、せいだから…?
…やっぱり、組織が…っ、」
そこまで言って、久しぶりにこの単語を口にしたと自覚した。
安室さんの顔を見ても、組織のことは当然知っているんだなと嫌でも分かった。
私が元いた場所、いや、家族が亡くなってから必然と囚われていた場所。同時に、私たちを引き合わせたであろう存在。
「___今回のことは、組織は関係ない。
これは、過去の僕に個人的に恨みを持った人物によるものだから。
間違っても君のせいじゃない。だから、君を巻き込めないし、巻き込むつもりもない」
ハッキリと言い切られ、また悲しくなる。
私は少しも力になれないのか、組織のことじゃないとしても、何か役に立てることはないの?
「やだよ…っ…他の人なんて、助けなくて良いじゃない。
警察だからとか、どうだっていいっ…
私は、安室さんにも勿論飛田さんにも…ただ生きていてほしいっ…」
私の言葉に、"その言葉だけで充分だよ"と、久しぶりに笑ってくれた。久しぶりに、優しく笑った顔を見た。
同時に、飛田さんと2人の男の人が私のそばに来た。
「もう時間です」と、非情にもその言葉でこれは現実なんだと、また愕然とする。
嫌だと抵抗するけど、「お願いだから言うことを聞いてください」と飛田さんも悲しそうな顔をした。…それでも、ここから離れたくなかった。
「___A」
…そんな風に優しく呼ばれたら、動きを止めるしかなかった。
「___大丈夫、僕は必ず戻るから」
"戻ったら今までのことも全部話すよ"と、そう言って受話器を置こうとした。
「…まって、…っ降谷さん…!」
また布を目元に当てられる前に、咄嗟にそう呼んでしまった。
いつの日かのように、少し困ったように…でも嬉しそうに笑った。
その顔を最後に、また視界が真っ暗になった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
274人がお気に入り
274人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柚葉(プロフ) - かえでさん» かえで様。コメントありがとうございます!すみません、今2と3の体裁を整えている関係で一時的にパスワード保護してます!まだ修正が済んでいませんが、読んでる途中に若干体裁が変わるのが気にならなければ、メッセージでパスワードをお送りします!いかがでしょうか? (8月25日 18時) (レス) id: 00a9d1680b (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - シリーズ2個目を読みたいンですけど無理でしょうか?パスワードがかかってるようで (8月25日 17時) (レス) id: bf6f1db929 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柚葉 | 作成日時:2023年6月18日 14時