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「_____なるほど!今日は夜にお酒を飲みに行くから、毛利さんあんなにノリノリなんですね〜」
「はい、そうなんです」
梓さんは納得したように、くすくすと笑った。
「蘭さんとコナンくんも一緒に行くんですか?」
随分長い間見ていなかった安室さんも、今日は久しぶりにポアロにいた。
「はい。一応、子ども向けの食べ物や飲み物もあるので、コナンくんも一緒に…何しろお父さんが心配なので!なんだか…」
「毛利先生、悪酔いしそうですもんね」
「はは、そうなんですよ…だから見張りに!」
「気をつけて行ってくださいね」
「ありがとうございます」
いつも通り笑顔で、何故か頬にテープを貼っていること以外は、至って普通。
Aさんがいる時は、少し気まずそうにしている時もあったと思ったけど…今日はAさんもいないからか、淡々と接客している気がする。
「_____あら、歩美ちゃん一人?」
ドアベルと梓さんのその声で扉の方を見ると、歩美ちゃんが立っていた。
「うん…」
気まずそうに立っていて、食事をしに来たわけじゃないと直感した。
「どうしたの?歩美ちゃん」
そばに行き目線を合わせて聞くと、途端に顔を赤くした。
「…歩美ね、蘭お姉さんと梓お姉さんに相談があるの」
その一言で、梓さんと顔を見合わせる。
ただならぬ雰囲気を感じ、2人でしゃがんで次の言葉を待つ。
「Aお姉さんが、取られちゃう…」
さっきまで考えていたAさんのことだったから、少しドキッとした。
「ええ、Aちゃんが…?
……ああ!もしかして、最近よくAちゃんにくっついてる…
子犬系男子?」
梓さんの独特な呼び方に、歩美ちゃんは大きく首を縦に振った。
「だってAさんとそのお兄ちゃん、お外でキスしてたんだもん!!!!!」
「えええええ?!?!」
歩美ちゃんと梓さんの大きな声が店内に響き、それと同時にガタガタっと何かが落ちる音もした。
「安室さん、大丈夫ですか?!」
「…はは、すみません。手が滑ってしまって…」
「もう〜!私はともかく、安室さんがポカするなんて珍しい!
…蘭ちゃん、片付けてくるから事情聴取お願いね!」
「は、はい…!」
勢い良く梓さんに頼まれ、思わず返事をしちゃったけど…。
正直、目の前の歩美ちゃんより、安室さんの方に気を取られそうになる。
…歩美ちゃんの言葉に動揺して物を落としたことは、明らかだった。
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柚葉(プロフ) - かえでさん» かえで様。コメントありがとうございます!すみません、今2と3の体裁を整えている関係で一時的にパスワード保護してます!まだ修正が済んでいませんが、読んでる途中に若干体裁が変わるのが気にならなければ、メッセージでパスワードをお送りします!いかがでしょうか? (8月25日 18時) (レス) id: 00a9d1680b (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - シリーズ2個目を読みたいンですけど無理でしょうか?パスワードがかかってるようで (8月25日 17時) (レス) id: bf6f1db929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年6月18日 14時