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「_____Aさーん!!!!」


休日の急な招集からの帰り道、元気な声で名前を呼ばれた。


「園子ちゃん!蘭ちゃん!」







「あれ、なんかAさん、顔色悪いですか…?」


鋭い蘭ちゃんは、話し始めてすぐに心配そうな顔をした。


「あは…実はね、寝不足と研究室の教授の招集が重なっちゃって…
今の今まで大学に…」

「えー!!なにじゃあAさん、お昼ご飯食べてないの?!」

「うん、まあ…なんなら、お昼に起きたから朝ごはんもまだ、かも…?」


信じられないといった顔をした園子ちゃんに、急に腕を引っ張って行かれる。


「私たち、今からポアロに行くところだったから、Aさんも行こ!パーっと食べて、ガールズトークして、元気出そ!」

「ええ、ちょ、園子ちゃん…!」

「園子!Aさんの予定も聞かないで勝手に_____」


なんてタイミング…!!!!昨日の今日で安室さんと顔を合わすのは、超!絶!気まずい…!
…いやでも、安室さん今日シフト入ってないかもだし…。
神様仏様、どうか安室さんのシフトが入っていませんように…。












「いらっしゃいませ」

「3名でお願いしまーす!」

「かしこまりました」


…安室さん、思いっきり笑顔で接客してるんですけど…!

顔を合わせるのが気まずくて、こんにちは、とだけ伏し目がちに挨拶をし、そのまま園子ちゃんに引っ張られて行く。

席についてから、梓さんがお冷とメニューを持ってきてくれる間も、バレないようにチラッと安室さんを見たけど…いつも通り淡々と仕事をしていて。…気にしているのは、私だけみたいだった。













「良かった、Aさん、少し顔色良くなりましたね!」

「ほんと…?ありがとう、蘭ちゃんと園子ちゃんのおかげだよ」


サンドイッチを食べ、フルーツジュースを飲み、ガールズトークをして…だいぶ頭もすっきりしてきた。


「そういえばAちゃん、今日は大学に?」


食器を片付けに来た梓さんが、不思議そうに聞いてきた。

はい、大学です…そう答えようとした時、梓さんの後ろに人影が見えた。


「…あ、あの!!!ここ、座っても良いですか?」


噛み噛みで声をかけてきたのは、見知らぬ男の人だった。


「どうぞ…」


そう言うと、ぱっと顔が明るくなり、同じテーブルの席についた。私の隣に蘭ちゃん、蘭ちゃんの前に園子ちゃんが座っていたから、その人は必然的に私の前に座った。

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柚葉(プロフ) - かえでさん» かえで様。コメントありがとうございます!すみません、今2と3の体裁を整えている関係で一時的にパスワード保護してます!まだ修正が済んでいませんが、読んでる途中に若干体裁が変わるのが気にならなければ、メッセージでパスワードをお送りします!いかがでしょうか? (8月25日 18時) (レス) id: 00a9d1680b (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - シリーズ2個目を読みたいンですけど無理でしょうか?パスワードがかかってるようで (8月25日 17時) (レス) id: bf6f1db929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年6月18日 14時

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