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21. ページ22




「_____あの人、すごいイケメンだね」

「ちょっと声かけてきてよ!」


今私が料理を運んでいるテーブルのお客様がずっと見ているのは、安室さん。

連絡先を聞きたいとか、彼女いるのかとか…盛り上がっている。

連絡先といえば…知っている私だって、一度しかしたことない。
前に家まで送ってもらって、その日にお礼でメッセージを送ってやり取りしただけ…。


「お姉さんー!注文お願い!」

「はーい!少々お待ちください」


ぼーっと安室さんのことを考えていたけど、注文を頼む声に目が覚めた。

 
 










「追加で生中2つと唐揚げと、フライドポテト」

「はい、生中2つに、唐揚げに…」

「お姉さん何歳?」


注文を復唱していると、注文をした男の人の声に遮られた。
2人組の男性で、ニコニコと私を見てくる。


「はは、何歳ですかねー。
えーと、あとはフライドポテトですね。少々お待ち…」

「テキトーに相手しないでよ〜。
二十歳くらい?今日何時上がり?」

「最近の店員さんネームプレートつけてないけどさ、名前は?」


居酒屋の店員だからというだけで、ただ声をかけられるというイベント…。正直とても苦手。
こういうのはまともに相手をしたらダメなやつだけど、お客様だからむげにもできず。


「はは、失礼します〜」

「ねえ無視しないでよ!」

「っ、」


立ち去ろうとすると不意に手を引っ張られた。
やめてくださいと言うにも、腕を掴まれたままニヤニヤとしていて、質問に答えるまで離してもらえそうもない。

…仕方ない、年齢は20歳、名前はハナコに…


「_____すみません、お会計良いですか?」


口を開くより前に、腕が軽くなった。
声のした方を見ると、安室さんが立っていて、その後ろには怖い顔をして二人組の男性を睨む飛田さんがいた。


「いてっ、いでででで!いてーよお兄さん…!」

「あ、すみません〜!つい強い力で掴んでしまいました」


私の腕を掴んできた男の人の腕を、安室さんが掴んで助けてくれたらしい。テーブルでは飛田さんと終始真剣な顔で話しているように見えたけど、今は一応笑ってはいる…ような?

ありがとうございますとお礼を言おうとしたら、それより先に耳元に顔を寄せられた。


「……ダメじゃないですか。
ああいうのに、少しでも反応しようと優しさを見せたら」


さっきまで笑っていたのに、今は少しも笑っていなくて。
初めて見る表情に、不覚にもドキッとした。

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柚葉(プロフ) - かえでさん» かえで様。コメントありがとうございます!すみません、今2と3の体裁を整えている関係で一時的にパスワード保護してます!まだ修正が済んでいませんが、読んでる途中に若干体裁が変わるのが気にならなければ、メッセージでパスワードをお送りします!いかがでしょうか? (8月25日 18時) (レス) id: 00a9d1680b (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - シリーズ2個目を読みたいンですけど無理でしょうか?パスワードがかかってるようで (8月25日 17時) (レス) id: bf6f1db929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚葉 | 作成日時:2023年6月18日 14時

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